葛葉が見せた分け隔てのない遣い

男性吸血鬼VTuberの葛葉は、一見するとオラオラ系で語気が強そうにみえるかもしれない。しかし実際はものすごくファンと仲間思いである。独特な言葉の使いこなし方で、なんでも笑いに変えられるムードメーカーとして愛されている。

地雷になりかねないヘビーな話題「Vtuberの引退」についても、彼は自身の性格を反映させた発言で発言し、ファンを安心させている。

葛葉「引退とかは毛頭する気ないからね。なんでこんなにお金をもらえるのに辞める道理が? お金ってのは多少のノイズをかき消すから」

【 Apexlegends 】魔境3 【 エーペックス 】(1:05:40くらい~)

現実的でありつつ、お金大好き吸血鬼というキャラクター性も出ており、愛嬌があって受け止めやすい。真剣かつざっくばらんで「いい兄貴分」的な語り口の彼の配信は、人情味がある。

ZenQというゲーム配信者が「パワフルプロ野球」をプレイしていたところ、このゲームを勉強していた葛葉がプライベートでコメント欄でテクニックを聞きに来たことがある。ZenQは当時登録者20人。片や葛葉は登録者数100万人超え。ZenQは驚いていたが、配信者として真摯に解説。葛葉はZenQに丁寧に感謝を述べた。

同接0人の俺の配信に「にじさんじ」のトップVtuberが来てくれた話【葛葉/にじさんじ/にじさんじ甲子園/切り抜き】【ZenQ/栄冠ナイン/パワプロ2021】

ある日、葛葉は自身の配信で「超参考にしたんだよね!」とZenQへの大きなリスペクトを語った。ZenQはそこで葛葉のスタイルに感銘を受けている。

ZenQ「俺、頂点にいる人って、底辺にいる人間なんか気にも留めないと思ってた。そんなことないんだって分かって、頂点にいる理由があるんだって分かって、ちょっとだけ、世界が綺麗に見えた」

彼が培ってきたエンタメ精神と分け隔てない性格は、切り抜き動画などを通じて多くの人にすでに広く伝わっている。ジャニーズの山田涼介らとのコラボが大成功をおさめたのも、彼の相手を立てつつしっかりエンタメをする配信スタイルと、それを知っているファンの応援あってこそのものだった。

神は細部に宿る

VTuberはファンと関係性を培いながら育っていく樹木のようなコンテンツだ。より外側に広く知ってもらおうとする場合、ファンへの気配りと信頼の蓄積がなければ根をはることは難しい。

神は細部に宿る。確かに派手なバズも大切かもしれない。しかし、こまめな気遣い、しっかりしたエンタメ思想、謙虚な姿勢など、地道で泥臭い部分を表に出し続けることで、VTuberはただの絵ではなく、血の通った存在として人々の信頼を得ることができるようになる。


文/たまごまご

VTuberブームの要因考察Ⅱ:VTuber人気を探る! 「友情・努力・勝利」 にじさんじのリアリティーショー はこちら