バズったことで省内に革命が起こった!

―手応えはいつ頃感じましたか?

省内で20チームほどで結成し、BUZZMAFFはスタートしましたが、最初は手探りの状態で、どうしたら国民に見てもらえるかわからないまま、やみくもに配信していました。

最初にバズったのが私のチームで制作した「花いっぱいプロジェクト」で、始めて5本目の動画でした。
新型コロナウイルス感染症の影響で、卒業・入学式、結婚式などの式典が減ってしまい、花が売れなくて花農家さんが困っているということを受け、花の消費拡大を呼びかけた動画です。

チャンネル登録数15万人越え!官僚系YouTuber「BUZZMAFF」に注目!_3
真面目に花の消費拡大を訴えるうちに、どんどん画面は花で埋め尽くされていく

―私も見ました! わずか1分ほどの動画ですが、真面目に花の消費を呼びかけている間に花でどんどん埋め尽くされる動画ですね

2時間で作って、次の日に配信しました。2日で40万回再生され、反響に驚きました。
花の消費拡大にももちろん繋がったのですが、コメント欄には「こういう動画はどんどんやったほうがいい」「公務員こそやるべきだ」「この動画をOKした上司ナイス!」と応援の声がたくさんいただけたことが大きかったです。
ご批判のコメントもありましたが、多くの視聴者に直接伝えることができたことに手応えを感じました。
想いがあれば伝わると自信になりました。
また、国家公務員がこういう動画を上げることについての議論の場にもなったんじゃないでしょうか。そういうことも含めてバズった動画に!


―バズったことで省内に変化はありましたか?

今まで何か国民に伝えたいことがあれば、記者クラブに行って記事にしてもらったり、新聞広告を打つために予算を取ったりなど、時間もお金もかかりました。
ですが、YouTubeなら、予算をかけず、国民に伝えたいことをすぐに広報することができます。
BUZZMAFFは予算が少ないので、なんでも手作りです。紙芝居を作ったり、パーテーションも手作りしたりしてやっていますが、低予算で作っても、少なくとも15万人に見てもらえて、しかも早く伝わる!

また、我々の仕事は制度や施策を作ることで広報は仕事じゃないと思っていた職員が多かったのですが、この動画がバズったことで、職員それぞれ自分がやっている仕事をどうしたら国民に伝わるのか考えるようになりました。
予算がないから、時間がないから、は言い訳にならない。
これによって、広報案件がすごく増えましたし、相談も多くなりました。
省内においてはちょっとした革命になったと思っています。

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カメラの取り合いになるほど、多くの動画が配信されている

取材・文/百田なつき 撮影/花田梢

後編『官僚系YouTube「BUZZMAFF」 真面目な想いを伝える柔らか広報術』はこちら