国家公務員なのにこんなことして大丈夫かという戸惑い

―YouTuberになることに戸惑いはありましたか?

手を挙げたものの、当時は私も省内もうまくいかないかもと思っていました。
ただ、仕組み作りで業務時間の2割を使っていいことと、ルールとして「上司は口を出さない」というのが大きかったです。
公務員あるあるですが、私みたいな若手が何か発案しても課長補佐、課長、局長とどんどん上に確認してもらえばもらうほど、違うものになってしまうのが普通です。
でも、BUZZMAFFの動画作りにおいては自由にやっていいことに。
ただし、もちろんファクトチェックは厳しくやっていますし、公務員としてふさわしくないこと、音楽などの権利関係はしっかりチェックされます。

だいたい行政の情報発信は
・堅くて面白くない
・難しい言葉が多い
・顔を出さない
この3つが特徴でした。なので、自由にできるならその逆を全部やろうと思いました。

公務員は、「税金もらっているくせにふさげている」などと批判されやすいので、どうしても真面目になりますし、難しい言葉になってしまうのも間違って国民に伝わってはいけないという思いからです。
ですが、動画を見てもらうために難しい政策のこともわかりやすく、馴染みやすい言葉や表現で伝えるようにしないといけないと考えました。

3つ目の「顔を出さない」というのは、実は最後まで悩みました。
炎上させたくないから、イラストや匿名でやったほうがいいかもと思っていました。
2年前の当時は自分もYouTuberに対して「炎上」「迷惑」という印象が強く、とにかく炎上が怖かった。
でもそれってずるいなあと。
安全な場所から自分たちが出したい情報だけ発信して、レスポンスはもらわないというのは誰も見てくれないんじゃないかと思ったんです。

農林水産省として、国民に伝えたい情報があるなら、それを届けるためには、ちゃんと顔を出して、「農林水産省の広報室、4年目の白石優生」が言っているほうが聞いてもらえると思い、顔出しすることを決めました。

チャンネル登録数15万人越え!官僚系YouTuber「BUZZMAFF」に注目!_2
企画から撮影、動画編集まで職員が行っている