5段階評価で全項目3.8
常に試合に出るということ以外に、自分が誇れる部分はどこかと考えると、これは難しい。ただ、自分で決めたことを継続するということに関しては、自分の子どもたちや周りの選手を見ても、できている人にほとんど出会ったことがない。
そう考えると、唯一、自分が人に誇れるものがあるとすれば、入団してからやめる日まで、準備を大切にし続け、毎日同じことを積み重ねたこと。野球の技術とか精神力とかではなく、その一点に関しては、一流だったのかなと思う。
5段階評価で自分に点数をつけるとすると、全項目3.8ぐらいではないだろうか。4だと過大評価に思える。全部、上位5番目までには入るけど、トップ3には入らない。小さい頃はこれがコンプレックスだった。「打つ」「投げる」「走る」で一番になれないことが自分のマイナスポイントだと感じていた。
だが、それがプロに入った途端、突出してダメな部分がないことで、代打も、代走も、守備固めも必要のない選手として総合的にプラスに変わったのだ。
どれかひとつ秀でたものがあるとすれば……守りはもともと3.2ぐらいの自己評価だったのが、プロで3.8になったぐらいだろうか。
走塁で目立ったプレーがあるのは、唯一、走塁だけが相手投手の投球や、相手打者の打球という不確定要素に左右されることなく、自分の経験に基づいて割りきった判断ができるからだろう。
メンタルという評価項目があったら、何を言われてもほとんど気にしていないから4ぐらいあるかもしれないが、やはり3.8が限界というところではないだろうか。
撮影/宮脇進