「カープの大きな財産になる」

「ひとつは松田元オーナー。たまたま、NHKの『球辞苑』という番組で秋山が取り上げられている回を見て、その言動にいたく感心したと聞いています。『この選手(秋山)は野球を深く考えている。しっかりした選手だ』と、周囲に激賞していたそうです。

もうひとりは人事の全権を握る鈴木清明本部長。プロ野球機構側の人間として、選手会との折衝に出席した際、選手会代表のひとりとして参加していた秋山の交渉ぶりや人間性に惹かれたといいます。この2人の評価がそろったことで、カープは全力で秋山獲得に乗り出したというわけです」(前同)

実際、秋山は広島入りを決めた理由として、「鈴木本部長からの『来てもらえれば、カープの大きな財産になる』という言葉は響きました」と答えている。

入団会見に臨んだ6月30日、マツダスタジアムでは背番号9のTシャツを着こみ、さっそく練習に汗を流す秋山の姿があった。カープファンが日米通算2000本安打の達成、コーチ、監督として采配をふるう秋山の雄姿を目撃する日はそう遠くないのかもしれない。


写真/共同通信社