神と呼ばれるタンが存在する

ツラミ刺しを堪能してから、いよいよ焼きに入るわけだが、やはり最初はタンから攻めて欲しい。
東京食肉市場内の内臓卸において、高品質で有名な神谷商店の品物の中でも、特に上質なタンは肉好きの間で『神のタン』と呼ばれている。
当たり前のように臭みなどなく、細かなサシがしっかりと入っているが、肉質はぐっと締まっている。ホドリではそんな神のタンを思う存分食べることが出来る。

タン元は芯の部分だけをグル剥きにして厚切りで食べさせてくれる。タンの内部で肉汁がパンパンに膨れ上がるように焼き上げれば、歯切れの心地良さと口いっぱいに旨味が溢れだす幸せを味わえる。
タンの真ん中部分は、あえて芯の周りも少し残してカットされており、より濃厚な味わいを感じさせてくれる。
また、個人的にぜひ食べて欲しいのがタン筋だ。舌の裏側の筋と筋肉が混じった部位だが、硬さがある反面、噛み締めるごとに濃厚な旨味が広がるのも、まさに神レベルだ。

肉バカに「神のタンとハラミ」と呼ばれる極みの味が存在する焼肉店_b
厚切りのタン元、食べ応え抜群のタン筋、どれもが神レベル

圧倒的な存在感を放つ神のハラミ

神のタンと同じように神聖視されているのが神のハラミだ。
一般的なハラミを含む内臓類は処理時に水に浸けておくため、その水分を吸ってしまうものだが、神谷商店では水分をしっかりと乾かすことで、素材の味がダイレクトに味わえる品物を扱っている。内臓類の中でもハラミは特に水分を吸いやすいため、しっかりと乾かされたハラミは他のものとは味わいがはっきりと違う。

肉バカに「神のタンとハラミ」と呼ばれる極みの味が存在する焼肉店_c
丁寧なカットが施された神のハラミ。塩もタレも絶品だ

また、ホドリのハラミはどの焼肉店でも見かけるような繊維を断ち切るカット以外に、あえて繊維に沿ってカットを施し、繊維を残すことで、食感や肉汁の出方のバリエーションを楽しませてくれる。
ホドリはとにかく素材の味わいを100%追求することに一切の余念がない。