簗問題「野党10会派が問責決議案提出で一致」の衝撃

連立政権を組む日本維新の会(36議席)と合わせれば、与党は衆院で圧倒的な議席を持つ。だが、参院は自民系が101、維新が19で総定数(248)の過半数には5議席足りない。

保守層からの支持がある参政党(15議席)や日本保守党(2議席)を加えても「3分の2」には達せず、仮に会派に属さない無所属議員らに賛同を求めるとしても国民民主系(25議席)の協力が憲法改正の発議には欠かせないというわけだ。

次の参院選が2028年までないことを踏まえれば、首相が「勝負の年」と位置づける2027年に発議を実現するには国民民主との連携強化が必要となる。

首相は2027年2月に予定する自民党大会で「2027年に憲法改正の発議を目指す」と宣言すると見られる。国民民主とは一時「年収の壁」の178万円への引き上げで合意するなど関係を構築してきたが、両党の距離感はいまだ微妙と言える。

国民民主の玉木雄一郎代表は政権与党が目指す衆院議員定数の削減に関し、比例のみ45減とすることには否定的だ。消費税減税をめぐるスタンスも温度差がある。

高市首相にとってショックだったのは簗農水相の問題で野党10会派が10月14日、問責決議案提出で一致したことだろう。

高市首相を悩ませる「政権を支えた世論の逆風」

無党派層に“高市離れ”の動きも…
無党派層に“高市離れ”の動きも…

簗氏を事実上更迭したことでひとまず難を逃れたものの、実際に提出されていれば10会派すべてが賛同し、無所属議員らも加われば可決されていた可能性があったからだ。そうなれば、来年の「大勝負」を前に国民民主とも無所属議員とも関係が崩壊する恐れがあった。

首相が悩ましいのは、政権を最も支えてきたと言える世論が逆向きに変わりつつある点だ。共同通信社が10月17、18日に実施した直近の調査で内閣支持率は49.1%となり、政権発足後初めて50%を割り込んだ。簗前農水相を更迭した首相の判断が「遅過ぎた」は57.7%に上っている。

時事通信社の調査(10月9~12日)でも内閣支持率は42.4%で前月比1.7ポイント減となり、発足後の最低を更新した。支持政党別で見ると、自民支持層は81.4%が支持する一方、「支持政党なし」は32.0%と低く、無党派層の“高市離れ”が加速しているように見える。自民党の政党支持率も前月比1.1ポイント減となった。

読売新聞の調査(10月16~18日)では、内閣支持率が9月調査時からほぼ横ばいの57%だったものの、簗前農水相を任命した首相の責任について大きいと「思う」は46%で、自民党の支持率も9月から1ポイント減少している。