簗氏“更迭”…それでも高市首相が気がかりなこと

「国会審議、農林水産行政に集中できない状況が続くことは看過できない」

高市首相は10月14日に簗農水相からの辞表を受け入れ、翌日には武部新衆院議員を後任の大臣に抜擢した。当初は簗氏を庇っていたものの、世論の逆風が強いとみるや「ダサい」「政治家としてみっともない」などと一転して対応を厳しくした。

入閣からわずか一ヶ月足らずで辞任した簗農相(自民党HP)
入閣からわずか一ヶ月足らずで辞任した簗農相(自民党HP)
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首相が気がかりなのは「国民民主党との距離感」だ。昨年10月の政権発足後、首相の後見役である自民党の麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長らは参院が少数与党であることを踏まえ、国民民主党に秋波を送り続けてきた。

鈴木幹事長は今年1月の記者会見で「(自民党・日本維新の会・国民民主党の)3党連立の形になれば日本の政治の安定はしっかりと確立される」と語り、9月16日の新執行部発足後の会見でも「国民民主党との関係は大切。究極的には連立を組むところまでいくと思う」と踏み込んでいる。

国民民主と距離を縮めたい麻生氏

国民民主党との連携をめぐっては、高市首相と麻生氏らの温度差を指摘する報道もある。麻生氏や鈴木幹事長が国民民主党の連立政権入りを渇望するのには理由がある。同党が政権に加われば、衆参ともに過半数を確保でき、予算や重要法案の成立を容易にすることができるのは言うまでもない。

政権与党の最高幹部たちから秋波を送られ続ける国民民主党(写真/玉木氏Xより)
政権与党の最高幹部たちから秋波を送られ続ける国民民主党(写真/玉木氏Xより)

だが、それだけで政権与党の最高幹部たちが秋波を送り続けることはない。狙いは首相の悲願であり、自民党の党是でもある「憲法改正」にある。憲法改正の発議には、衆院と参院で「総議員の3分の2以上」の賛成を得ることが必要だ。衆院は310人以上、参院では166人以上の賛同者を確保することが欠かせない。

自民党は2月の衆院選で歴史的大勝を果たし、衆院の総定数(465)の3分の2を上回る316議席を獲得した。