思い返せば「あれ?」 郵便局員が目撃した奇妙な光景
『85円の遺言』第6話を読む(漫画を全画面で読むをクリック)
郵便局員は、日々、配達や集荷のためにさまざまな家を訪れる。
玄関先で荷物を受け取ることもあれば、裏口や勝手口でやりとりをすることもある。仕事中は目の前の業務に集中しているため、その場では深く考えなかったことが、あとになって「あれは何だったのだろう」と気になることもあるという。
漫画『85円の遺言』は、現役の郵便局員である漫画家・送達ねこ氏が、霊が見える郵便配達員を主人公に描く物語だ。郵便局の仕事や現場の様子も細かく描かれているが、実際に、郵便局員が訪問先で不思議な出来事に出会うことはあるのだろうか。送達ねこ氏に聞いた。
「郵便局員は毎日いろいろなお宅を訪ねますので、ときには『あれ、おかしいな?』と思うようなこともあります。でも、仕事中は目の前の業務に集中しているので、あとになって『そういえば、あんなことがあったな』と思い出すこともあるようです」(送達ねこ氏、以下同)
ある郵便局員は、集荷に訪れた家の裏玄関で、荷物の重さを測っていたという。
そのとき、誰も触れていないのに、ドアがひとりでに開き始めた。数十センチほど開いたところで、今度は音を立てて閉まった。
すると、その家の住人が、こんなことを口にしたという。
「亡くなった息子です。亡くなった時は他県の大学の寮にいました。こうやって時々帰ってきます」
また、別の郵便局員も奇妙な体験をしていた。
夕方、ある家のポストに郵便を配達した際、ちょうど門から入ってきたその家の主人と出会ったという。挨拶をしてすれ違ったものの、直後にあることを思い出した。
「あれ? ご主人、暮れに亡くなってなかった?」
すぐに振り返ったが、そこには誰もいなかったという。
「どちらの配達員も、その場では怖がったり、大騒ぎしたりすることはなかったそうです。いつもの仕事の中で起きた出来事として受け止めていて、しばらく経ってから、思い出して人に話す機会があったようです」
送達ねこ氏によると、このように、すでに亡くなった住人の姿を見かけたり、家族が帰ってきたように感じたりしたという話を、郵便局員たちから何度か聞いたことがあるという。
「亡くなった人が、残された家族のことを気にかけて、家に様子を見に帰ってくることもあるのかもしれませんね」
『85円の遺言』第6話で描かれるのも、家族に伝えられなかった思いと、残された人たちの後悔をめぐる物語だ。
亡き妻の姿が突然見えるようになった男性。しかしその妻はなぜかずっと悲しんでいる。そこで、疎遠になった娘へ一通のハガキを書くことになる。たった85円の便りは、離れてしまった家族をもう一度つなぐことができるのか。
漫画『85円の遺言』第6話をお届けする。
「毎月第3土曜日18時配信」
『85円の遺言』第6話を読む(漫画を全画面で読むをクリック)
文/集英社オンライン編集部
次回:11月21日(土)配信予定
※毎月第3土曜日更新
















