「こんなことが日本では普通なのか?」時と国を超えて炎上した『めちゃイケ』

SNSでは、過去のバラエティー番組の一場面を切り抜いた動画が、数百万、数千万回と再生されることは珍しくない。懐かしの名場面や過激なシーンは拡散されやすく、インプレッション稼ぎが目的とみられる投稿も後を絶たない。

テレビ番組の映像を無断で転載すれば著作権上の問題が生じるが、膨大な投稿を放送局側がすべて把握し、即座に対応することは難しい。削除されるまでに映像だけが広く拡散してしまうケースもある。

ただ、今回の『めちゃイケ』をめぐる拡散は、これまでの“懐かし映像のバズ”とは少し様相が異なっている。

拡散されているのは、加藤浩次が頑固オヤジに扮する人気コーナー「爆烈お父さん」の一場面だ。加藤が床に倒れているAKB48のメンバーの両足をつかみ、パカパカと何度も開かせると、周囲の『めちゃイケ』メンバーもノリノリでそれをあおる。最後にはジャイアントスイングで何度も振り回している。

当時のAKB48の人気は海外にも普及…台湾のAKBグループ「AKB48 Team TP」(現在「TPE48」)(画像/Shutterstock)
当時のAKB48の人気は海外にも普及…台湾のAKBグループ「AKB48 Team TP」(現在「TPE48」)(画像/Shutterstock)
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「こういう暴行映像を見て笑えなんて平成は狂った時代だったな」――そんな批判的な言葉とともに投稿された映像は、5600万回以上表示される事態となった。

「こんなものを電波に流していたのか」という番組への批判だけでなく、「今からでも良いから二度と表舞台に出てくんなよ。作ったやつも許可したやつも仕事辞めろ」「こういう性根は変わっていないと思う」など、十数年前の番組内での振る舞いをもとに、出演者の現在の人格や活動まで批判する声も上がっている。

さらに映像は海外にも拡散した。

「クレイジーで気持ち悪い」「こんなことが日本では普通なのか?」といった声のほか、「先進国なのに道徳は先進的とはほど遠い」「この国の女性への扱いは言葉にできない」と、日本のテレビ文化や日本社会そのものへの批判にまで広がっている。

転載を重ねるほど、「2013年に放送されたものであること」「加藤が頑固オヤジというキャラクターを演じていること」「前後を含めた一連のコントであること」といった情報は抜け落ちていく。

十数年前のバラエティー映像が、ある日突然、数千万人のタイムラインに現れ、当時の文脈を失ったまま“現在の問題映像”として炎上する。

今回の騒動で考えたいのは、この点だ。

そもそも「爆烈お父さん」とはどんな企画だったのか。テレビウォッチャーの飲用てれび氏はこう解説する。