口調、動き、AI加工…オンライン上にあふれるトランプネタ
「面白いから使ってる。トランプ自体の空気感に、左派やリベラルにはない親しみやすさやおおらかさみたいなものがある」と話すのは、20代の米国人男性・マシュー(仮名)だ。州立大学生である彼は、トランプネタを日々の会話のなかで使用する。
「『みんな言ってることだけど…』ってトランプの口癖で返信したり、ディスコードのスタンプとしてトランプの投稿のスクショを使ったり。いわゆる“ネタ”であって、政治的な意味はないよ」
オンラインにおける“トランプネタ”の広がりは、マシューの仲間内だけで起きている現象ではない。
ディスコードやワッツアップといった対話アプリだけでなく、Instagram、TikTok、XといったSNS上にはトランプを題材にした動画が日常系コメディアンや一般人、さらには生成AIによるものが数えきれないほど多く発信されている。
これは、トランプ自身が記録的な数のポストを投稿していることに加え、同陣営アカウントが「ネタになりやすい」素材を提供し続け、宣伝活動に利用していることが一因となっている。
だが、マシューのごとく、トランプネタには彼の様子を誇張しただけのものや別人格を与えたものなど、政治的意図のないもの・ナンセンスなものも数多く発見できる。これらが特定の集団によって戦略的に拡散されているとは考え難く、自然発生的に生まれ、弄ばれながら増殖しているように見える。
予測不可能な行動で世界を混乱させるトランプは、日本を含む多くの国々にとっては単なる脅威でしかなく、場を和ませる効果を持たない。彼はなぜ、米国の若者にとって手ごろなジョークとなり得るのか。













