ろ過機がない古い学校では週に一度の給排水作業が発生

一方、外部委託を進めている自治体もある。

令和8年3月に「川崎市立学校における水泳授業の実施に関する方針」を公表した神奈川県川崎市では、プール清掃を外部業者に委託しているという。

川崎市役所(写真/PhotoAC)
川崎市役所(写真/PhotoAC)

同市の担当者は次のように説明する。

「プール使用開始前の汚れた状態からの清掃は業者に委託し、その後の日常の給排水を含めた維持管理は現場の先生方や学校用務員さんなどにやっていただく形が基本です。

中学校ではこれまでプール使用開始前の清掃も教職員が行なっていましたが、今年度から小学校と同様に外部委託する形になっています」

日常的なプールの清掃とは、どのような作業を行なうのだろうか。

「学校によってプールにろ過機が設置されているところとそうでないところがあり、昭和40~50年代初めに建てられた古いプールにはろ過機がありません。

その場合のプールは溜め池のような状態になるため、汚れなどを取り除くため、週に一度は水を抜いて入れ替える作業が必要になります。そうしないと水質を維持することができません。ろ過機がついていれば、水の入れ替え作業の頻度は大幅に下がります」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

こうした給排水の作業は、プールを使用する期間だけ行なうという。

「プールの使用期間が終われば、水を張った状態で維持し、来年度のプール開始前に再び委託業者が清掃を行ない、そこからまた学校がプールの維持管理をしていく、というサイクルになります」

ろ過機がついていないプールの場合は週に一度の水の入れ替えに伴う作業が必要となるため、維持管理が学校現場の大きな負担になっているという。

川崎市教育委員会の資料によれば、小学校の約88%、中学校の約73%が「水泳授業の準備に時間、労力がかかる」ことを課題として挙げている。

小学校では約81%の学校でプールの維持管理業務を学校全体で役割分担をしており、1日に平均で約1時間10分を要しているという。特に、ろ過機未設置校では定期的な水の入れ換えを要するなど、水位調整や水質管理等が過度な負担となっていることが考えられるという。

こうした教職員の負担を軽減していくべく、今後、市では民間プールの活用を拡大させていく方針だ。

「水泳の授業を民間施設で行なうにあたり、実際にどういう学校から順次やっていくのか、といった部分も考慮しながら、また、プールの立地条件なども検討しながらマッチングしています。川崎市では教職員の働き方改革に特に力を入れており、先生方の負担軽減につながるように進めていければと考えています」