場を作るための鍵を世の中が求めている
──Twitterでの発信を続ける中で、ナツイさんなりのバズる方法論は確立されているのでしょうか?
みんなが同じツッコミを言えるような投稿が伸びる印象です。例えば、イラストレーターとして活躍されている「わかる」という方がいらっしゃるんですけど、大体のツイートに関する感想がユーザー名で先取りされるようになっているんですよ。発明だと思いました(笑)。見た人の頭に思い浮かぶワードを想定することが大事なんです。
──ナツイさんの著書(『サブカルをお守りにして生きてきた』)やXでの記事も同じ発想で書いているのでしょうか?
『サブカルをお守りにして生きてきた』に関しては、読者が「面白い」と思う箇所まで我慢してくれるという信頼のもと書きました。でも、Xの記事は5秒で面白い箇所にたどり着かないとスルーされてしまう。そのバランスが難しいんです。
──現在、ナツイさんは著書の刊行に加え、noteの有料メンバーシップも積極的に活用されていますよね。一昔前は嫌儲思想もあり、個人が有料のコミュニティを作ることはインターネットにおいて避けられていましたが、今では当たり前になっています。
オンラインサロンやDiscordと一緒で、人を集めて好きにしゃべれる場を作るための鍵を世の中が求めているんだと思います。昔はインターネットが好きなことを言う場所だったのに、今は何も言えない場所になっていて、また居酒屋にプライベートな場所が戻っている……みたいな言説と近いんじゃないかと。
──なるほど。noteのコミュニティにいるためのチャージ料を設けているというか。
ちょっと尖っていたり、主流ではない意見を言ったら怒られるような雰囲気がXにはあるんですよね。noteや本では思ったことをピュアに言えるんです。
Twitterはサブカル?
──わかります。その点においても、Xのタイムラインは気が抜けない場所になっていますね。
ただ、イーロン・マスクによって文字の表現がこんなに盛り上がるなんて誰も思っていなかったと思うんです。Xは収益化するようになりましたし、人によってはアルゴリズムによって本当に好きな内容のものしかタイムラインに流れないようになっている。
──Xには良い面もあると。ナツイさんはカルチャーの変化に対して肯定的というか、例えば『サブカルをお守りにして生きてきた』で扱われている「サブカル」も、これまでの意味にとらわれない広い意味で使われていますよね。
そうですね。「サブカル」って、時代によって意味が変わり続けている言葉だと思うんです。最初はアングラなものを指してたのに、途中から浅野いにおさんっぽい空気感とか音楽フェスに行く女の子を指すようになった。
それに対する「最近のサブカルの使われ方ってどうなん?」みたいな批判も結構見てきたので、私は逆に「今のサブカルってこれじゃない?」という感覚でタイトルを付けました。
──最後に、Twitterはサブカルだと思いますか?
Twitterは……サブカルですね(笑)。
取材・文・撮影/風間一慶













