ANAとJALは棲み分けへ
このような航空業界の変化を考えると、ANAが国際線に力を傾注し、その結果として国内線が寂しくなっていくのも経営判断としては合理的であろう。
インバウンド利用の富裕層を優遇し、国内出張族の切り捨てにつながりかねない今回のマイレージ改訂はそうした経営判断のワンシーンなのかもしれない。
また、前述の小松空港の朝夕2往復体制などはその最たるもので、これは国際線の乗り継ぎを前提としたダイヤ編成と言ってもよい。
他方、JALがいまだに小松航空で一日6便体制を維持するなど、国内客を切れずにいる状況にも得心がいく。国際線需要でANAに競り負けている以上、国内線で顧客を確保せざるを得ないからだ。そう考えると、ANAとJALはライバル関係にあるのではなく、棲み分けて生き残る状況が生まれつつあると言える。
今回のマイレージ改訂で上級会員資格を失い、ANAラウンジを去らざるを得なくなるサラリーマン層のなかには寂寞たる思いを抱える方も多いであろう。
ただ、嘆いてみたところで日本国内の航空需要の縮小傾向は変わらず、個人でできることは限られている。20年以上快適なANAラウンジを使ってきた私にとっても、その記憶が「一炊の夢」となる日は近い。
文/井出明












