「教室には“マイバイオリン”を置いていましたよ」

若松容疑者は、パソコンを扱うクラブ活動を担当し、保護者からの動画編集や音楽編集の依頼に快く応える一面もあったという。PTA役員として学校に関わり、息子が若松容疑者に担任を受け持ってもらったという別の保護者は、当時の印象をこう語る。

「若松先生は保護者の間で『鹿児島の裕福な家庭で育ったおぼっちゃま』と言われていました。バイオリンが得意で、教室には“マイバイオリン”を置いていましたよ。
一人ひとりの子どもに対して前向きに向き合おうとする姿勢が強く、うちの子が運動会に出られるか分からなかった時も、エイサー(沖縄の伝統芸能)を覚えられるように、若松先生自身が実際に踊っている動画を送ってくれたことがあります。卒業式や離任式では大号泣してしまうような、“温かい先生”でした」

保護者からも児童からも頼りになる先生――。そう見られていた若松容疑者の逮捕は、当時を知る卒業生や保護者にとっても大きな衝撃だったという。

「一番怖いのは、撮影された映像や写真が流出していた場合、完全には消せないことです。一度でもネット上に上がっていれば、半永久的に残ってしまう可能性がある。若松先生のクラスではなかったものの、在任と在学期間が重なっていた娘は『もし自分たちも撮られていたら…』と話していました。まさか教員が…しかも若松先生のような人がそうしたことをしていたとすれば、本当にショックで信じがたいです」(同前)

学校での“温かい先生”という印象とは別に、私生活ではどのような人物だったのか。自宅アパートの近隣住民が話す。

「早朝や夕方ごろに見かけたり、すれ違ったりすることはありましたが、お互いに挨拶はしませんでした。近所トラブルもありませんでしたし、女性と歩いているところも見たことがありません」

近隣では、目立つ存在ではなかった若松容疑者。だが、児童や保護者にとって身近な存在だった教員の逮捕は、学校現場に大きな不安を残している。

事件を受け、大田区教育委員会は同校にスクールカウンセラーを派遣。警視庁は、他の小学校で勤務していた際にも盗撮していたとみて余罪を追及している。

警視庁((写真/PhotoAC)
警視庁((写真/PhotoAC)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班