「ホント昔のテレビみたいなことしてますやん」

おそらく、ツッコミの余地をあえて残したVTR構成なのだろう。嶋佐の大オチをはじめ、スタジオでの展開もおもしろかった。初恋相手との対面シーンで7人の男性を並べて「誰が初恋相手か」を当てるクイズも出題された。まるで人の初恋を弄ぶような展開に、屋敷がすかさずツッコむ。

「ホント昔のテレビみたいなことしてますやん」

芸能人の初恋相手がテレビに登場(番組公式SNSより)
芸能人の初恋相手がテレビに登場(番組公式SNSより)
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外枠では定番企画を踏襲しつつ、出演者のコメントや演出でお笑い色を強める。定番をなぞりつつ、「定番であること」自体をネタ化している。『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)のカラオケ企画や、『千鳥かまいたちゴールデンアワー』(日本テレビ系)のクイズ企画と同系統の手法だろう。

近年、千鳥の周辺でこうした「定番企画をメタ視点を絡めて楽しむ番組」が増えてきた印象がある。情報番組として始まりながら実質は大喜利番組だった、初期の『ラヴィット!』(TBS系)も想起される。

まっさらな発明は難しい。そもそもあまり求められていない可能性もある。ただ、「いつものやつ」を更新する形で、気づかぬうちに新たな魅力やおもしろさが生まれるスペースが拓かれていることがある。王道を担い直すミセスと、王道を茶化すニューヨークら。「また似たような番組か」という感想は正しい。

ただ、その感想は、時にテレビで何か新しいことが始まろうとしているシグナルだったりすることも、あるのかもしれない。

文/飲用てれび