あみすず「2人で頑張っていきたい」

そんな2人が競技を続ける理由はどこにあるのか。

「ビーチバレーはお金がかかる競技で、大学時代は遠征費を親が負担してくれていました。当時はあまり深く考えていませんでしたが、社会人になって自分で資金を集める大変さを知って、改めて両親の支援のありがたさを感じました。

今でも応援してくれていて、家族の応援があるから私はまだまだ頑張れる。ジャパンツアーで優勝して、その賞金で両親がこれまで出してくれていた遠征費を返したいと思っています」(福田)

優しげな表情で福田を見る白幡は「本当いい話するね」と言い、こう続けた。

「私は、小学生の頃からバレーをやっていたのですが、ずっと辞めたいと思いながらも周囲の勧めで大学まで続けてきました。そして大学3年から4年に上がるタイミングで競技をやめ、学生トレーナーに転向したのですが、初めてプレーヤーとしてバレーをしない1年を過ごして、心にぽっかり穴が空いたような感覚で。その時、『私、バレーが好きだったんだ』と気づいたんですよね。

就職のタイミングで、6人制・9人制・ビーチバレーという選択肢があって、初めて自分の意思で競技を続けることを選びました。やらされてきたバレーボールではなく、自分で選んだからこそ、今は本当に楽しいと思える。すずと一緒に頑張りたいと思えるからこそ、頑張れています」(白幡)

最後に2人の今後の目標について聞くと、明るい表情でこう答えた。

「ペア結成当初はデュアルキャリアということもあり『オリンピックではなく、日本一を目指そう』という目標を掲げていたんです。ただ、昨年1年間活動してみて、頑張れば目指せる位置にいるかもしれないという実感が少しずつ湧いてきました。

活動資金だったり、時間だったりいろんな部分で課題はあるけれど、もし目指してもいいのなら、オリンピックを、世界一を目指して、2人で頑張っていきたい。まずはワールドツアー優勝を目標に!」(白幡)

「支えてくれてる人たちのためにも、2人で頑張りましょう!」(福田)

そう目を合わせて笑いあったあみすずペア。「デュアルキャリア」という新たな道を切り拓きながら、資金面や運営面での困難さえも「経験値」として笑い飛ばす。自分たちで選び取った道だからこそ、その足取りに迷いはない。

ビーチバレー界に新風を吹き込む「あみすず」ペアが、世界の頂点で最高の笑顔を見せてくれる日が待ち遠しい。

(左から)白幡選手、福田選手(写真/本人提供)
ビーチバレー界の新星(左から)白幡亜美選手、福田鈴菜選手(写真/本人提供)

(前編はこちら)

取材・文/千駄木雄大