国民がこんなに苦しんでいる最中も、まだ中抜きの利権をやめない

いま、ホルムズ海峡は事実上封鎖され、石油の安定供給すら見通せない状況だ。国民は物価高に喘ぎ、ガソリン代の先行きに不安を抱えている。そんな危機の最中でも、利権体質は変わらない。

補助金が投じられるたびに、天下りOBが座る協会の基金が膨らみ、元売りの寡占市場に国費が吸い込まれる。国民がこんなに苦しんでいる最中も、まだ中抜きの利権をやめない。それだけ税金には魔力がある。

政府が今すべきことの第一は外交だ。紛争の停戦とホルムズ海峡の解放に向けて、日本が独自の外交チャンネルを動かすこと。補助金の財源として青天井に国費を注ぎ込むより、それこそが国民を守る本質的な手段のはずだ。

そして国民への支援をするのであれば、補助金ではなく減税だ。減税であれば全額が確実に価格に反映され、中抜きの余地はない。ガソリンだけでなく国民支援を目的とした補助金は即刻やめるべきだ。

ガソリン価格の問題は、エネルギー政策の問題ではない。国民の税金が、誰のために、どのような利権の構造を通じて使われるのか——という、民主主義の基本的な問いだ。

文/オオサワ・キヌヨ 写真/shutterstock