1.2%の希望
がんの中でも、生存率が特に低いと言われる、膵臓がん。モデル・土屋アンナさんの母、土屋眞弓さんも、同じく「ステージ4」で闘病生活を送りつつ、アンナさんのマネージャーの仕事を続けていた。
Instagramでそのことを知った福積さんは、眞弓さんと連絡を取り合い、お互いを励まし合い、交流を深めたという。
「一緒に、共に闘っている感がすごくありました。膵臓がんと闘う方々は、この少ない生存率の中で必死に生きようとしている。すごく精神的に助けられて、力になりました」
眞弓さんは2025年の年末、67歳で天に召された。仲間が先に旅立つ不安や恐怖、「5年生存率は1.2%」。その少ない数字に福積さんは力強くこう話す。
「1.2%のその存在は希望の星になる。1.2%でも『生きれる人もおるんだ』っていう、“本当の現実”が確実にある」
笑顔で話すその眼差しにはまっすぐと家族との未来を信じる父の信念が垣間見えた。
同じ境遇で闘う人々に対して伝えたいことは? そう問いかけると、彼は言葉を選ぶように訥々と語った。
「信じれば奇跡は起こる、なんて言いたくはない。頑張ったからといって必ず報われる世界ではないと分かっているんで。ただ、今の未来を悲観し、今を真っ暗で生きるよりは、自分が生きたいという希望を信じ、明るく前向きに生きる。その方が、気持ち良い人生なんじゃないかなって」
つらい時に支えにもなったサカナクションの『セプテンバー』ではこんな歌詞がある。
僕たちはいつか墓になる 苔にもなるだろう ここで生きる意味 捜し求め歩くだろう それもまぁいいさ――。
家族のために彼は今日も笑って闘う。
取材・文/加賀直樹













