いつ誰が? 「正体不明の橋」のナゾ

2月にSNSで写真が拡散したのは岐阜県恵那市にある観光地「日本大正村」のそばにある鉄骨造りの人道橋だ。

風情も漂う立派な欄干に、設置者を探す「岐阜県恵那土木事務所」の看板が付いていたことが話題を呼んだ。

岐阜県恵那市の「日本大正村」のそばにある管理者不明の橋(写真/岐阜県恵那土木事務所提供)
岐阜県恵那市の「日本大正村」のそばにある管理者不明の橋(写真/岐阜県恵那土木事務所提供)
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近所に職場がある女性は「私は30年ほど前から働きに来ていますけど、そのころにはありましたね。近所の住民はよく使っておられます。丈夫なので揺れたりしませんよ」と話す。

恵那土木事務所によると橋は少なくとも1976年にはあったことが確認できるが、いつ、誰が設置したのかはわからない。それらを調べるために昨年10月に情報提供を呼びかける看板を掛けたという。

そもそも川に橋を架ける場合は河川法に基づき、川を管理する国か自治体に占用や工作物建築の許可をとる必要があり、勝手橋は形式上、河川法違反状態になる。

ただ恵那土木事務所は「違法かどうかは設置時期や経緯が不明であるため判断ができません。そのため橋の設置経緯を含めて管理者の情報提供依頼を⾏なっています」との立場だ。

岐阜県恵那市の「日本大正村」のそばにある橋に取り付けられた情報提供を呼びかける看板(写真/岐阜県恵那土木事務所提供)
岐阜県恵那市の「日本大正村」のそばにある橋に取り付けられた情報提供を呼びかける看板(写真/岐阜県恵那土木事務所提供)

隠れて行なうのは難しそうな橋の設置工事の主をなぜ特定できないのか。

その疑問について同事務所は「現行の河川法は1965年に施行され、それ以前に架けられた橋は許可を受けたとみなす(同法上の)経過措置によりみなし許可橋とされた経緯があり、それに該当する可能性があります。

また、河川改修時に附帯⼯事として橋が架けられた際に占⽤⼿続きが正しく⾏われていないと推察される例があります」と説明する。

さらに許可は基本的に10年ごとの更新が必要で、これが行なわれず管理者がわからなくなることもあるという。

国土交通省水政課は「川を渡らないと家にたどり着けないような地形で私的に橋を架けた人もいたと思われます。それで建設時にはちゃんと許可が取られても、その人が亡くなったり引っ越ししたりして許可の更新がなされず、管理者不明となるケースもあったと聞いています」と説明する。

「勝手」につくったわけではない橋も多そうだ。