最低でも1万3000か所も…広がる安全性への懸念
そして、こうした橋が全国にどれほどあるのか、全体の規模をつかむための集計がされていないことも関係機関の話でわかってきた。
河川は国土交通省が管理する一級河川、都道府県や政令指定都市が管理する一、二級河川、さらに市町村が管理するそれ以外の河川に分かれる。
「国交省管理の一級河川には管理者不明の橋はありません。都道府県か政令市が管理する一級、二級河川では2022年に都道府県から報告を受け集計すると計9697か所ありました」(国交省水政課)
ただ、当時47都道府県と政令市の計58自治体のうち国交省に報告したのは31自治体にとどまる。
その際に報告しなかった広島県は2024年に県が管理する川に架かる橋を調べ、勝手橋が3395か所あることを確認。これを足し上げるだけで1万3000を超える。
市町村が管理する川に架かる橋の集計もないため、勝手橋がどれくらいあるのか全体像はまったく不明だ。
管理者がいないことによる一番の問題は当然安全性への懸念だ。
岐阜恵那土木事務所は管理者不明の橋があれば「異常がないか定期的にパトロールを行ない、通⾏に⽀障が⽣じる場合には通⾏⽌めなどの措置を取ります」という。
町内に29か所の持ち主不明の橋を抱える富山県立山町は、安全性を調査するための454万円を初めて2026年度予算に盛り込んだ。
こうした負担を減らすには橋の持ち主を探し出すしかない。
「文献を見たり、地域の自治会に聴き取りをしたりする地道な努力で橋の持ち主を探し当てた事例もあり、各自治体がそうした経験を共有できるよう情報を提供したりします。
持ち主が見つかれば、使っていない橋なら撤去をお願いし、まだ使う橋なら河川法に基づく手続きを取るよう自治体からお願いすることになります」(国交省水政課)













