78歳のときに敗血症で歩けなくなる

──やがてウルトラマラソン(100kmなど42.195kmを超えるマラソン)にも挑戦されましたね。

100kmを約50回走って、74歳で1週間かけて250 kmを走る「サハラ砂漠マラソン」にも4回挑戦し、3回完走しました。フルマラソンは足切り時間があって、ひたすら飛ばすから苦しい。でもウルトラは自分のリズムで行けるから気持ちがいいんです。

──一方で、大きな病気やケガとは無縁ですか?

走り続けた影響か、両股関節に金属が入っています。右の股関節がまず壊れて、79歳で人工関節を入れました。左はその後、85歳ごろに手術。さらに78歳のときには、背骨にウイルスがついて敗血症になりました。

医者には「歩けなくなって車椅子の生活になる」と言われ、それでは何もできないと思い、「自分の責任で歩く練習をしたい」と交渉しました。それからは朝も昼も、時間さえあれば歩行器を使って病院の廊下を歩き回った。杖をつきながらなんとか自分の足で退院できる状態まで持っていきました。

飯田さんの練習拠点「B.T.S.L FITNESS」(埼玉・東松山)
飯田さんの練習拠点「B.T.S.L FITNESS」(埼玉・東松山)

──走れなくなり落ち込んだと思いますが、82歳でベンチプレスを始めたきっかけは?

走れないなら別のことをやろう、と切り替えました。どうしても体を動かすことをやめる気にはなれなかったんです。そうしてたどり着いたのが、上半身でできるベンチプレスでした。「できなくなったこと」を嘆くのではなく、「まだできること」を探した。その姿勢が、今の日々にもつながっている気がします。

──いまのトレーニングのスケジュールは?

様子を見ながら週5ぐらいでやっています。朝は6時25分にテレビ体操から始めます。それから競技用のベンチプレスをするために週3回はジムに行き、9時ごろから10時半ごろまで練習。その後、別のジムに行って、軽めにマシントレーニングを2時間半ほど。

帰宅後も寝る前にダンベルやゴムバンドで軽く体をほぐして、22時に就寝しています。1日に3回体を動かしている計算ですね。ただ、無理はしない。体を壊したら楽しめなくなりますから。故障しないで50kgだけは上げていきたい。

ベンチプレス台がひたすら並ぶ(右)
ベンチプレス台がひたすら並ぶ(右)