年を取ればそれなりに衰えてくる

──食事面はどうされているんですか?

人間の体は骨と筋肉だと思っているので、まずカルシウムとタンパク質です。

朝は必ず、煮干しをたっぷり入れたスープと、めざし、納豆、生卵3個。煮干しは粉にするより硬いまま噛んで食べるのがいい。顎も鍛えられるしね(笑)。昼夜は特に決めていないけれど、夕食に赤ワインを200cc。これが長年の習慣です。

ストレッチで収縮した筋肉をほぐす
ストレッチで収縮した筋肉をほぐす

──今年90歳になり、老いについて感じることはありますか?

3年前ごろから、自分が老化していると実感する場面が出てきました。荷物を置き忘れたり、新幹線の手配でミスをしたり。昔だったらすぐ気が回ったことが、回らなくなっている。それは認めざるを得ない。

でも悲観はしません。年を取ればそれなりに衰えてくる、それは抗わず受け入れて、その中でできることを楽しんでいく。あちこち痛くなって当たり前。痛くたって、できることはあるんですよ。「痛い痛い」と言ってやめてしまったら、そこで終わりです。

カラフルなトレーニングウェアが好きだという
カラフルなトレーニングウェアが好きだという

──その考え方は、すべての世代の人たちにも大きな励ましになりますね。

よく言うんですが、社会は年寄りを大事にしすぎてはダメだと思う(笑)。炊事洗濯をやってあげる、そういう優しさが人を弱くすることだってある。1人でやるしかない状況の方が、意外と元気だったりするでしょう。

自分でやるしかないから、頭も体も動かすんです。今の毎日は幸せだなって思いながら生きていれば、年齢なんて関係ないんです。

取材・文/全夏潤 写真/わけとく

<プロフィール>

飯田徳子(いいだ・のりこ)

1936年生まれ、埼玉県在住。元小学校教諭。89歳にして、女子57kg級マスターズ5クラスにて、ベンチプレスの日本記録保持者(50.5kg、日本パワーリフティング協会主催)。埼玉・東松山の「B.T.S.L FITNESS」(https://btsl-fitness.com/)をトレーニング拠点に活動を続けている。