南口側のちょっと気になるエリア
こうして見ると、錦糸町は単に「店が多い街」ではない。様々なお店が、駅周辺でひとまとまりになっている。親子連れの行動導線として非常に完成度が高いのである。
もっとも、前述の通り、街のすべてが“子育て仕様”になったわけではない。南口には大きな喫煙所があり、南側のエリアには昔ながらの飲み屋街やラブホテル街も健在だ。家族連れにとっては気になる点かもしれない。商業機能の充実が進み街の雰囲気が変わる一方で、従来の歓楽街的な空気もなお共存している。
ただ、この「大人向けのエリア」はひとつの地域に固まっており、「ファミリー向けのエリア」とははっきり分かれていた。
清澄白河在住で2歳の子どもを持つ父親はこう話す。
「錦糸町は地下鉄で2駅なのでよく行きます。何でもでもそろうので、買い物は錦糸町に行きますが、南口の歓楽街エリアに足を踏み入れることは全くないですね。なのでその存在は気になりません。ただ、マルイに行くときだけ駅前広場にある喫煙所の前を通るので、それはちょっと嫌ですね……かなり臭いです」
しかし錦糸町の魅力については、こう続けた。
「アカチャンホンポ、西松屋、ベビーザらスという3大子供向けショップがそろっているのって、都内では錦糸町だけではないでしょうか。錦糸町がこんなにファミリーフレンドリーだなんて、来るまで知りませんでした」
また、錦糸町に住む5歳児の父親は街の変化を実感している。
「住む前は錦糸町ってラブホとキャバクラの街というイメージでした。ここ10年くらいでガラッと変わりましたね。家族連れも増えているし、久しぶりに来る人はちょっとびっくりするんじゃないでしょうか。映画館も2つあって最強です」
江戸川区に住む1歳児の母親も、満足度が高い街だと話す。
「ドラキッズに通わせているのでほぼ毎週錦糸町のオリナスにきています。買い物の利便性も高いですし、チェーン店が充実しているのも良いです。帰りはいつも錦糸公園の遊具で遊ばせますよ。混んではいますが、子どもがたくさん集まっていて、少子化なんて嘘みたいな光景です(笑)」
かつての印象を知る人ほど、いまの錦糸町の変化には驚くのかもしれない。
“何でもそろう”という言葉は便利な街に対してよく使われるが、錦糸町の場合、親子に必要なものが徒歩圏に詰まっている。Xの投稿に共感が広がったのも納得だ。
子どもとのお出かけ先に迷ったとき、あるいは「都内で子育てしやすい街ってどこだろう」と考えたとき、錦糸町は一度歩いてみる価値のある街になっている。













