“被害者”は自分がパワハラ受けているとはなかなか話さなかった

こうした毀誉褒貶相半ばする評価は、警視庁担当記者からも同じように聞かれた。

「私たち記者に対する顔は誠実で、レクの対応も丁寧だし人当たりも悪くなかったです。でも仕事が絡むとめちゃくちゃ厳しかった。一度ヘマをして彼に『切られた』ら最後、もう二度と相手にしてもらえなかった。『何かネタありますか?』なんて不用意な聞き方をした記者を『何かありますかじゃねえだろ!』って一喝して泣かせたこともありました。

でも本当に悲惨だったのは部下たちだよ。Aさんは『俺は優秀だ』『あいつらは使えねえ』って平気で口にする。自分がデキる人間だから求める基準が異常に高くなっちゃうんだろうね。でも言い方はきつくても指摘している内容自体はもっともだったりするから、尊敬しつつも恐れおののいている部下が多かったんじゃないかな」(全国紙社会部記者)

別の大手紙社会部記者も、

「いい意味でも悪い意味でも昔ながらの刑事で、パワハラ気質でよく(警視庁)人事1課にタレコミがいってました。でも“被害者”は自分がパワハラ受けているとはなかなか話さないから処分されなかったんだよね。Aさんは仕事ができることで有名だったけど、若い子(部下)にとっては時代錯誤な存在だったんだろうね」

モームリ事件も担当(モームリHPより)
モームリ事件も担当(モームリHPより)

と証言。以前から言動が問題視されてきたことをうかがわせる。

さらに別の警視庁担当記者は、A氏が過去に同様の問題が理由で昇進が足踏みしたことがあると証言した。

「Aさんはいわゆる『オールドプレイヤー』なんだよ。毎日毎日彼のところに通い詰める記者のことを『根性あるな』って認めるような昔の体育会系みたいな人。彼は部下の誰よりも仕事をして、土日の深夜だろうが平気で電話してくる。今の若い人たちはそれをハラスメントと感じるんだろうけどね。

彼はノンキャリアで交番勤務から始め、途中昇進が止まったことがあるのに(警視より一階級上の)警視正にまでなった叩き上げで、そんな人は今の時代めちゃくちゃ少ないですよ。それだけ熱意があるからキャリア組もその熱意を評価して引き上げたし、もともと刑事畑(捜査二課)だった彼を生活安全部が引き抜いた経緯もあります」(警視庁担当記者)