48歳で年収200万円、「限りなく童貞に近い初老」、
と条件は極めて悪いけど

コロナ禍の生活が普段とそんなに変わらず、「人に会えないの全然つらくないけどなー」とつぶやいてしまう独身男の姿でこの婚活エッセイ漫画は幕を開ける。要は「独りで死ぬのはイヤだ」が、一人で生きるのはそんなに嫌じゃない。そんな彼が緊急事態宣言下のコロナ感染で孤独に闘病し、病が回復した後はしばらく勃起しなくなるという別の緊急事態にも遭遇したことで、それまであまり疑問に思ってこなかった独り身生活を不安に感じることになる。そんな折、知り合いの漫画家女性にふわっと恋してさらっとフラれる経験などを経て、さらにはっきりと「他者ともっとかかわりたい」というある程度明確な気持ちが芽生えて積極的な婚活を始めるのである。

著者自ら、本気の婚活に挑む実録コミックエッセイ。はたしてその結末は? 「独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記」中川学/集英社
著者自ら、本気の婚活に挑む実録コミックエッセイ。はたしてその結末は? 「独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記」中川学/集英社

著者はマッチングアプリ、婚活パーティー、泌尿器科受診、そしてお見合い、と、具体的な活動内容を微に入り細にわたり記し、その時の心情や心の動きも含めて赤裸々すぎる筆致で描いていく。四十八歳で年収200万円、自分のことを赤裸々に漫画にする仕事、大事なイチモツに自信がなく「限りなく童貞に近い初老」、と条件は極めて悪い。

でも巻末に収められたインタビューの写真を見ると、顔やスタイルはちょっと素敵、お笑いや映画に詳しく話は面白そう。恋愛はともかく少なくとも婚活には不利っぽい彼が、アプリでマッチした女性とせっかくそこそこ意気投合したにもかかわらず、一度会っただけで連絡をやめてしまったり、婚活パーティーで一緒になった年上男性に号泣させられたりする姿は、突っ込んだり苛立ったり笑ったりしながら楽しんだ。

「遺影候補」だという著者の中川学さんの写真。確かに「ちょっと素敵」? 撮影/井上たろう
「遺影候補」だという著者の中川学さんの写真。確かに「ちょっと素敵」? 撮影/井上たろう