「押し戸への変更を検討したが、前オーナーから拒絶された」
2025年12月15日、港区赤坂6丁目のビル内にある個室サウナ「サウナタイガー」で火災が発生した。サウナ室内にいた松田政也さん(当時36)と妻の陽子さん(当時37)が死亡した。現場検証の結果、サウナ室のドア内側の取っ手が脱落し、内側から扉を開けられなくなったことで、2人が室内に閉じ込められたことが確認されている。
「火災の半年以上前、別の客室でドアノブが外れ、客が一時閉じ込められるトラブルが発生していたことが明らかになりました。この際は同伴者が外から救出したため負傷者は出ませんでしたが、店側はこの事実を把握していたとのことです。
また、過去のトラブルを受け、内装業者が『安全面を考慮し、ドアノブのない押し戸に変更すべきだ』と提案していたものの、店側はこれを採用していませんでした。
さらに、先代社長のビジネスパートナーで現在の社長のA氏は、自身が就任した2024年12月以降、ドアノブが外れたりぐらついたりする事案が複数回あったと説明しています。実際に、火災の起きた部屋だけでも、過去に少なくとも2回、ドアノブを交換した形跡がありました」
警視庁は、現経営者であるA氏と女性マネージャーから任意で事情聴取している。
両氏はこれまでの調べに対し、「押し戸への変更を検討したが、前オーナーのBから『密閉性が下がり、熱が逃げる』と拒絶された」と供述している。安全対策の不備は前オーナーB氏の判断によるものだったとの認識を示しているという。
警視庁は19日、千葉市内にあるB氏の関係先を家宅捜索した。B氏が店舗経営や設備管理に対し、実質的にどの程度の決定権を持っていたかが今後の焦点となる。
また、捜査1課は、設備面だけでなく、火災当日の運用実態についても重大な過失があったとみている。サウナ室内に設置された非常ボタンは、事務室の受信盤で電源を切られていたことが判明した。店側はこれまでの調べで「電源はオープン以来一度も入れたことがない」と供述している。
また、火災を検知した非常ベルが鳴った際、従業員が安否確認や救助活動を行なった形跡はなく、消防隊が到着した際には、サウナ室のある個室のドアは外から施錠されたままだった。













