阪神優勝で認知症の症状が改善!?
そして2025年3月には、驚きの新聞記事が掲載されました。
タイトルは、「『推し活』がつくる幸福感 阪神優勝で認知症患者の症状改善、プラス感情でストレス耐性か」。
つまり、阪神の優勝で、認知症の患者さんの症状が改善されたというのです。
研究結果を公表したのは、大阪府枚方市にある脳神経内科「はつたクリニック」の院長・初田裕幸氏です。彼は、自身のクリニックの「物忘れ外来」に通院する男女855人を対象に、プロスポーツの勝敗と認知症症状の関係性を調査しました。
調査期間は2023年、阪神タイガースがリーグ優勝を決めた翌日(同9月15日)から年末にかけてです。この間、いわゆる公式戦は15試合しかありませんでしたが、日本シリーズでの勝利のほか、とくに関西地方では、「優勝記念パレード」(同11月23日。私もテレビ番組の取材で出発地点にいました)の生中継をはじめ、複数の「優勝おめでとう」特番が組まれました。阪神ファンの方々は連日、幸福感に満たされていた時期だったでしょう。
すると、なんと! このタイガース優勝後の期間は、同年のセ・リーグ開幕前と比べ、阪神を応援する軽度認知症患者さんたちのあいだで、「攻撃的暴言」や「昼夜逆転」などの症状を示すスコアが改善したとのこと。一方、そもそもスポーツ観戦しない人や、ひいきのチームがない人では、数値に変化がないか悪化傾向だったそうです。
こうした傾向について、初田氏は「ひいきのチームの勝利によってプラスの感情が積み重なり、ほかのストレスに強くなったのではないか」と推察。各種統計などから、阪神の優勝が、国内で約1万6000人の軽度認知症患者に「良い影響」を与えたと推定することもできる、としています。
また、攻撃的暴言の減少については、本人だけでなく同居家族など周囲の人たちへの影響も大きいと指摘(産経新聞/3月29日掲載)。確かに近年、暴言は「DV(Domestic Violence)」の一種とも言われ、家族を含めた周囲にとってダメージが大きいとされています。
そんな中、タイガースの勝利によって本人がプラス感情に満たされ、さらに周りの方々への攻撃など悪影響まで減ったとなれば、その社会的影響は予想以上に大きいものだと言えるでしょう。
文/牛窪恵
















