ストップした輸入に「替わるもの」と「替えられないもの」
戦争が長期化するにつれ、ロシア国内では制裁がある日常に対するある種の「慣れ」と適応が見られます。当初のパニックは収まり、政府による大規模な財政出動もあって、消費者心理は比較的安定を保っています。
この状況下で、ロシア政府が国家戦略の柱として大々的に推進してきたのが、「輸入代替政策」です。マクドナルドに代わってロシア版のファストフード店が登場したように、西側諸国から輸入できなくなった製品やサービスを、国産品で置き換えようという試みです。
しかし、その成果は、分野によって大きく異なります。特に高度な技術を要する分野では、課題が浮き彫りになっています。
ハイテク製品や医薬品の分野では、国産品の品質や技術水準は、西側の製品に遠く及ばないのが実情です。ロシアの軍産複合体ですら、その多くをソ連時代の古い技術の改良に頼っており、真に新しい、高度な兵器システムの開発には苦慮していると言われます。
制裁によって西側からの部品供給が絶たれたことで、多くの企業が「代替不可能な外国製の設備や部品がある」と認めており、国産化の道のりは極めて険しいものです。
結局のところ、輸入代替政策は、一部の消費財などで限定的な成果を上げるにとどまり、ロシア経済の根幹を支える技術的な脆弱性を、根本的に解決するには至っていません。
むしろ、長期的な労働力不足や、世界の先端技術へのアクセスが断たれたことが、今後のロシア経済の成長を縛る、大きな足かせとなることは確実です。













