「ねんどの耐久性」SNSで流布した“間違った”認識
――ねんどの乾燥については、SNSでも騒がれていた部分ですね。
安部 社内や口頭では説明していたのですが、実証データが十分にそろうまでに時間がかかってしまいました。開発ブログで「最低15か月はもちます」と書いたのも、15か月以上の検証データがまだ取れていなかったからです。ただ、それがネット上では「15か月でダメになる」と受け取られてしまった。
世の中には、確かにすぐ使えなくなるねんどもあります。でも、ウンコスルデイズで使っているねんどは、未開封であれば15か月以上は問題なくもちます。それが「すぐ乾燥する」「家に置いておくとダメになる」と、一人歩きしてしまった。そこは、そうさせてしまったな、という反省があります。
――未開封の状態であれば、基本的には問題ない、という理解で大丈夫でしょうか。
安部 はい。未開封であれば、現在の検証では最低17か月、購入時と同じ状態で保持できています。今後も検証を続けていく中で、この数字は伸びていくと思います。
――振り返ってみて、想定よりうまくいった点と、逆に課題だと感じた点を挙げると?
安部 やはり、プラモデルという枠組みの強さを、我々も自分自身も見誤っていた、という点です。情報発信や売り場づくりで、「これは子ども向けですよ」「プラモデルへの入口ですよ」という説明を、もっと丁寧にすべきでした。
興味を持って触ってくださった方が多かった分、ネガティブに拡散してしまった部分は、課題だと思っています。
また、本来のターゲットである6〜8歳に、十分リーチしきれなかったとも感じています。SNSやYouTube、イベントなど、どうしても親のフィルターがかかってしまう。そこは結果論ですが、難しさを痛感しました。
――開発チームとして、「これは嬉しかったな」と特に心に残っている反応はありますか。
安部 イベントで遊んでくれている方の反応ですね。友人・知人の子どもや、保育園の子たちが触ってくれている姿を見ると、明らかに他のキットとは違う顔をしています。
組み立て体験会でも、ほかのプラモデルはみんな黙々と真剣に作るのですが、この「うんこ」の体験会だけは、ゲラゲラ笑って、ワイワイしながら遊ぶんです。それを見て、「それでいいんだよな」と思いました。模型店の方からも、「キット自体はいいんです」と言っていただけたことも、本当に嬉しかったですね。













