自民大臣経験者「維新でうちとまともにやり合えるのは馬場さんと遠藤さんぐらい」
そのほか、来年は防衛装備品の輸出解禁なども与党協議会の枠組みで議論していくが、その気になれば防衛大臣経験者を5人でも10人でも並べることができる自民に対し、維新は外交や防衛、安全保障法制に精通した議員はほぼ皆無だという。
「そもそも維新でうちとまともにやり合える政治家なんて、馬場さんと遠藤さんぐらいだろう。吉村さんなんて衆院議員の経験は10カ月程度だろう。なんで大阪府知事が国会議員の定数削減に口を出してくるんだ。身の程をわきまえて欲しいよね」
自民の大臣経験者は維新を子ども扱いするように不満をぶちまける。自民内を見回しても維新の定数削減法案に本音から賛成しているという議員は見当たらない。
それでも維新は来年の通常国会でも「身を切る改革」として定数削減を掲げるだろう。だが、立憲民主党幹部も「(定数削減は)審議しない。企業団体献金が先だ」と協力姿勢は見せない。
今国会と同じような光景がきっと来年も続くことになるはずだ。それでも吉村氏は悲願の大阪都構想につながる副首都法案のために、自民との連立維持にはこだわるだろう。
自民と連立を26年間組んだ公明は、いつも最後は自民に譲ってきたため「どこまでもついて行きます、下駄の雪」と野党に揶揄されることもあった。それでもいざというときは選挙協力で小選挙区の自民候補に回していた公明票を交渉の武器に徹底抗戦することもあった。
維新にはそんな公明が持っていた選挙カードのような切り札もない。水面下で人数を増やすような老獪な交渉術においても、豊富な閣僚経験からくる政策の知見においても、維新は自民の足元にも及ばなかった。
このまま公明以上の下駄の雪として自民にへばりつくのか。それとも連立離脱カードを発動するのか。自民・維新連立政権の賞味期限は来年には早くも切れる日が訪れそうだ。
文/長島重治












