小中高時代は陸上のエース、バイク事故で生死をさまよった過去も…

容姿はいかにも…のグリ長さんだが、小中高時代は陸上の日本代表を目指す真面目な子供だった。現在は東京を拠点に活動するTikTokerだが、地元の福岡県では陸上の強豪と言われる姪浜中学校の出身だ。

「短距離で県大会で決勝に進出して、ギリギリ8位でした。大学は『九州学生陸上競技選手権大会』などでも実績のある九州情報大学の陸上部に特待生で入ったんですけど…《速く走れる体になるのが早かっただけで、これ以上、速く走れる体ではなかった》ことに気づいたんです」

だが、その後、三途の川を渡りかけるバイク事故に遭う。

「幼い頃からモトクロサーで、中型免許を取って雨の日にバイクで峠を走ったら車と正面衝突しちゃいました。完全に自分の不注意による事故で運転手にも申し訳なかったです。

その事故で大腿骨が飛び出てバイクのタイヤに突き刺さり、右足が千切れかけたんですよ。80針縫って繋いで。3日間意識不明で、4日目に目覚めた日に天井に不死鳥がいました。その後3ヶ月間入院して、1年かけて快復しました」

80針縫った足と、タイヤに突き刺さったグリ長の骨
80針縫った足と、タイヤに突き刺さったグリ長の骨

ちょっと何を言っているかわからないが、右足が千切れかけて80針縫ったにもかかわらず、足に負荷をかけるようなダンスをして大丈夫なのだろうか?

「今のところ平気っす! やっぱ陸上時代のバネがダンスに活きてるって感じしますね」

大事故から生還したグリ長さんだが、この後、罪を犯す。バイクで危険走行をするグループ「グリフィス」の総長となり、道交法違反(共同危険行為等の禁止)容疑で逮捕されたのだ。

「道交法違反で逮捕起訴され、懲役1年執行猶予3年の刑が下りました。『グリフィス』の総長だからグリ長という名前なんです。本名は増田廉太郎と言いまして、親は瀧廉太郎から名を借りたと言ってました。

『グリフィス』はもちろん解散しています。バイクでの危険行為はやめようと思って始めたのがTikTokで…でも僕もこのダンスはかっこいいって思ってません。

はっきり言ってキモいです。少年少女には、バイクの危険走行はもちろん、横揺れダンスも決してカッコよくないから真似しないでって言いたいです」

80針を縫う大怪我をしながらも横揺れで足を酷使するグリ長こと増田さん。ブームの火付け役も「ダサくてキモい」と言っているので、少年少女のみんなは真似しなくてもいいかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班