「少なくとも約28年間はこのような“事件”が起きることはなかった」
事件の舞台となった学校は、「御三家」と呼ばれ、名門進学校とされている「私立武蔵高等学校中学校」。同校では同日午後9時から緊急の記者会見が行われ、会見には杉山剛士校長と酒井良介教頭、同校の顧問弁護士の3人が出席した。
校長と教頭は冒頭に「お預かりしております大切な生徒の命、安全を脅かす、あってはならない事態が発生いたしましたことに対して、関係者の皆様に対して心からおわび申し上げます」と謝罪し、約10秒間頭を下げた。
校長によると、加害生徒と被害生徒の2人は中学1年生の同じクラスとのこと。事件は4時限目(午前11時30分〜12時30分)に行われていた英語のスピーキングテスト中に起こった。
4時限目が開始されてから20分後の午前11時50分。男子生徒が被害生徒に対して、首の左側を約15センチほど切りつけた。
校長によると、使用された刃物は刃渡り1センチ程度のミニカッターで、学校から支給されたものではなく生徒個人が所有していたものだという。校長は「ミニカッターは(授業で使うわけではないが)いわゆるプリントを切り貼りしたときに使用していたものと思われる」と説明した。
切りつけられた被害生徒は、正午ごろにクラスの生徒が付き添う形で保健室に運ばれ、救急車が10分後に到着した。被害生徒は会話が可能な状態だったという。
「私も救急車が来る前にすぐ保健室に行きました。 そのときすでに、被害生徒は応急処置を受けて、包帯で傷口を止められており、ベッドの上に座っていました。言葉のやり取りも普通にできて『大丈夫か』と聞くと、『大丈夫です』と返ってきました。被害生徒は近くの大学病院に搬送されました」(校長)
いっぽう切りつけたとされる加害生徒には、保健室で聞き取りが行われ、その後警察官によって署へ連行されたという。
「警察の方が横で聞き取りしたので、私は声をかけることができなかったんですけども、涙を浮かべていたのが印象的でありました。2人の間でのトラブルなどは把握していません。また、イジメにあっていたとか、そのようなことはございません」(校長)
幸いにも被害生徒の傷は浅く軽傷で済み、午後3時20分に母親と同校に戻ってきたという。1週間後に抜糸を行う予定で、「明日も学校に行きたい」などと話しているという。
酒井教頭によれば「少なくとも約28年間はこのような刃物による“事件”が同校で起きることはなかった」と肩を落とした。













