介護の真っ最中に、長男が同級生に暴力⁉
長男が小学1年、次男が年長のとき、夫の兄嫁が心臓病で急死。年長から1歳まで3人の男の子が残された。最初は夫の両親が面倒を見ていたが、すぐに音を上げてしまい、昼間は朝美さんが預かることに。下の子が年中になるまで5人の子どもを必死に育てた。
兄が再婚し、家族4人の暮らしに戻ったが、平穏な生活はあっという間に終わる。夫の母親が認知症になり、実家を2世帯住宅にして義両親と同居することになったのだ。
「旦那は自分が面倒を見るから、私に出て行ってもいいと言ったけど、子どもの世話もろくにできなかった人が、認知症の年寄りの世話なんかできるわけない。下手したら無理心中だなと見捨てることもできなくて」
長男が中学2年のとき、学校から「サッカー部の同級生に暴力をふるった」と呼び出しを受けた。朝美さんは息子に何も聞かずに、相手の親と教師の話だけを聞いて謝ってしまった。
「それから息子が一切、口を聞いてくれなくなって……。後から息子の友だちに、相手の生徒に息子がいじめられていたと聞かされて、あーって。そういえば、スパイクがなくなったり、ボールが壊れたりとかあったなと。
ただね、そのとき介護の真っ最中だったんだよね。気になりながらちゃんと向き合うこともできなくて。そりゃ、怒るよね。『この親に何を言っても無駄なんだなと思った』と20年経ってから息子に言われました」
5年間在宅で介護をして義両親を看取ったが、夫への不満は溜まるいっぽう。夫の冷たい物言いに朝美さんの気持ちが切れてしまい、別居した。
「旦那のほうは自分の親の面倒を見てもらった負い目もあるし、子どもたちもいるから、離婚する気はなかったみたい。でも、私は一緒に暮らしたくなくなっちゃって、じゃあ、あなたが出て行ってと(笑)」












