大人の女の等価交換

世間でよく話題にのぼる男と女の友情が成立するのか問題。

これに関してはいろんな意見がありますが、個人的にはずっと「絶対に成立しない」と思っていました。

そもそも、男女では体の作りからして全然違うわけですから。

凹凸が重なり合う仕組みになっている限り、この体に性欲なるものが宿っている限り、「成立するわけがないんだ」と。

頑なにそう信じて生きてまいりました。

でも、ここ数年はちょっと思うようになってきたんですよ。「成立するのかもしれない」というか「成立せざるをえないのかもしれない」って……。

私は根っからの男好きなんでね。

目の前にいる男性は全て恋愛対象。

友達というグレーゾーンを設けることができないからこそ、「付き合えるのか、付き合えないのか」「やれるのか、やれないのか」と、「0か100か」の振り切った感覚で常に男性と向き合ってきたんですけど。

今となっては、どんなにこっちが「やれる」「付き合える」と思ったところで、相手は何とも思っていないっていう。

年齢を重ねるにつれ、そういう状況が悲しいほどに続くと私も思うわけですよ。

「なるほど、じゃあ、ここは潔く路線を切り替えてと。友達というものとやらにトライしてみようじゃないか」と。

永遠の命題である「男女の友情は成立するのか」に対して大久保が出した答えは……
永遠の命題である「男女の友情は成立するのか」に対して大久保が出した答えは……
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体の内側でたぎる性的なものを封印して、純粋に“友達”として男性と向き合う。

それの何が面白いのか、最初は全く理解できなかったんだけど。

これが、やってみると意外にも楽しく心地よい。

例えば、女芸人同士だと、同性であり、友達であり、同業者でもあるから。

誰よりもわかりあえるんだけど、無意識に張り合ってしまうことも。

その人が爆笑をかっさらったり、良い仕事をしていると、素直に喜べない自分がいたりして。

でも、これが男性芸人相手になると張り合う気持ちがスッと消える。

不思議と何とも思わなくなるからすごくラクなんですよね。

また、何度も言いますが、私は無類の男好きなんでね。

「この人とは恋愛や性的な方向に絶対に展開しない」と、「あくまで友達なんだ」とわかっていても、そこに男がいるだけで気分が上がるというか、男好きの心が満たされるというか。

最近はちょっと思っているんですよ。

「男友達って悪くないのかもしれない」って。

この間も、平成ノブシコブシの吉村君から「大久保さんと飲みたいと言っている放送作家(男)が2人いるんですけど、どうですか?」って誘われて。

これが、以前の私だったら「もしかして、これは出会いかも?」って。

行く前に、いつもより念入りにメイクして、ドライヤーで髪をセットして、なんなら、ZOZOTOWNで服まで購入。

構えに、構えて、恋愛と性欲の鎧をガチガチに身につけて挑んでいたと思うんですけど。

今の私はテキトーな感じで、「なんですかこの会。どういうつもりで開いているんですか」なんて軽口叩いて、なんの鎧も身につけずにいつもの私で挑むことができる。

これもまた、すごくラクでねぇ。

男女関係なく人間同士で深く関わり合えている感じも、すごく楽しかったんだよねぇ。

まぁ、2人とも既婚者だったんだけどね(笑)。