疑心暗鬼や油断によって「内部崩壊」
「電話かけは留守ならあとでかけ直すなど徹底してひとつひとつ潰していくのが当たり前ですが、今回はチェック係もいなかったので、電話したことにして水増しして提出している事務所もあった」
船頭ばかり多くなり、実動部隊の指揮命令系統は機能していなかった。小泉氏が「最高のチーム」といった陣営は、疑心暗鬼や油断によって「内部崩壊」していた。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
プロ野球の名監督・野村克也氏はよく、この言葉を使った。小泉氏はまだ44歳。今後もいくらでも総裁選に再挑戦する機会はあるだろう。
しかし、「自民党をもう一度一つにまとめる」といって立候補しながら、自らのチームすらまとめることができなかった。この現実を受け止めない限り、次回も同じ失敗を繰り返すのではないか。
文/長島重治