刑務所とシャバでの文通愛深め、2回目の結婚を果たすも…

「人妻でありながら、彼からプロポーズを受けて、文通をしていることに、罪悪感もありました。当時の夫にも失礼だと思ったので、ちゃんと離婚しようと決意しました」

33歳で最初の夫と離婚し、34歳のときに刑期を終えた彼と2回目の結婚を果たした原口さん。しかし、そんな彼との結婚生活も、長くは続かなかった。

「出所後の彼はなかなか就職先が決まらず、結果的に“ひも状態”になってしまったんです。そのとき刑務所で知り合った人たちとつるみ始めて、家に帰ってこなくなることが増えました」

刑期中は“お坊さん”化していた彼も、刑期を終えてシャバにでると、少しずつ変わっていってしまった。そしてついに離婚の決定打となる事件が起きた。

「彼がヤクザ絡みの金銭トラブルを起こしてしまったんです。それで家に置いてあった私の印鑑証明とか実印を勝手に持ち出して、私の車を売却してしまった。それがかなりショックで…同じ家に泥棒と住むことはできないなと思いました」

アクリル板越しのプロポーズから300通以上の文通を交わした末に結ばれた結婚生活は、わずか1年経たずに終止符が打たれた。そのとき、原口さんは35歳になっていた。

#2 「4度の離婚の末に見えた、元夫と離婚理由の共通点」へつづく

北海道紋別市で弁護を担当した被告人と2回目の結婚を果たしたころの原口さん
北海道紋別市で弁護を担当した被告人と2回目の結婚を果たしたころの原口さん

取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部特集班