ゴージャス松野の波乱万丈生活
そんなある日、“あなたを見ていられない”と面識のない実業家・Tさんから援助の申し出が届く。藁にもすがる思いで連絡を取ると、裁判費用などを快く負担してくれたという。
「だから弁護士を立てられ、裁判ができました。そして、地裁では先方の主張する事実は認められないという形で終結しました。Tさんは本当に私の人生の恩人です。
裁判後、やっと生活の立て直しを考え始めると、Tさんは“ラーメン屋さんもお金なければ屋台から始める。街角に机ひとつ置いて、酔っ払いの悩みを聞くことでもお金は稼げるんだからやってみなさい”とアドバイスをくださり、実践しました」
その様子をメディアが面白おかしく取り上げた。
「今だから言っちゃいますが、騒動の中で真摯に取材を受け続ける私に、芸能リポーターやスポーツ紙の記者の何人かとは友情のようなものが生まれまして。だから、私の再スタートを取り上げてくれたんです」
これがきっかけで歌舞伎町の『クラブ愛』から声がかかり、ホストに転身。
「(当時の)社長は素晴らしい方で。“売上ではなく給与であげる”と言ってくださって。とにかく、お仕事をいただけたことが本当にうれしくて仕方がなかったです」
そんな社長から持ち掛けられたのは、整形案件。バラエティ番組でビフォーアフターを公開し、広告効果はかなりあったという。その後、松野はセクシー男優デビューも果たす。
「これも変な話、某スポーツ紙の記者から“こんな仕事あるよ”と紹介してもらって。躊躇ですか? もちろんありましたが、当時の経済状況がとにかくひっ迫していて。撮影どうこうではなく、500万円のギャラが1も2もなく魅力的で。ただ、業界やファンの方には申し訳ないのですが、500万円をいただけたらさっさとやめました」
その後は、プロレスデビューを果たしている。
「これも『クラブ愛』の従業員がプロレス団体の社長と知り合いで。“タイガー・ジェット・シンのセコンド兼マネージャーをやらないか?”というお話をいただきまして。私は子どものころからプロレスが大好きで、プロレスラーになりたかったくらい。ただ当時は入門規定があり、身長が足りなくてあきらめました」