日米でこんなに違う! ポストシーズンのホームラン数の比較

ホームランによる得点の重要性が、最も表れやすいのがポストシーズンの短期決戦でしょう。短期決戦になると、出場した各チームはいいピッチャーを続々とマウンドに送り出します。好投手から連打で得点するのが難しくなり、数少ない失投を逃さずにホームランにするというパターンで得点を狙う方が有効です。

それでは、ポストシーズンでのメジャーと日本野球のホームランによる得点割合を比べてみましょう。日本はコロナ禍の影響でセ・リーグがクライマックスを中止したため、フルで試合が行われるようになった2021年からにしました。

ポストシーズンのホームランによる得点割合の比較
ポストシーズンのホームランによる得点割合の比較

日本はメジャーよりもポストシーズンに参加するチームが少なく、一概に比べることはできないのでしょうが、4年間の平均を比べてもメジャーが48.18で日本は30.28です。約半分弱の得点をホームランで稼ぐメジャーと、3割ちょっとの確率でしかホームランで得点できない日本の差が大きく出ています。

次は、シーズン中のホームランによる得点割合を比べてみましょう。

シーズン中のホームランでの得点割合の比較
シーズン中のホームランでの得点割合の比較

やはりというべきか、メジャーはシーズン中のホームランで得点した割合が低くなっています。一方、ポストシーズンで対戦するいいピッチャーからは連打が出にくいため、ホームランでの得点が有効だということです。日本は低かった年と高かった年が半々です。短期決戦ではスモール・ベースボールに徹する傾向があり、戦うチームによって違うのでしょう。はっきりとした傾向が出ていないということは、いいピッチャーからはホームランで得点を狙うという視点がまだ薄いのでしょう。

ちなみに、この4年間でワールドシリーズを制したメジャーのチームの、ホームランによる得点割合を見ると、半分以上の得点をホームランで奪ったことになります。

ワールドチャンピオンチームのホームランによる得点割合
ワールドチャンピオンチームのホームランによる得点割合

一方、日本一になったチームを見てみると、21年のヤクルト以外、ホームランによる得点割合が平均より低いチームが日本一になっています。「日本はホームランに頼らない野球でいい。それが日本の野球」と思う人もいるでしょう。確かに一理ある考えで、否定するつもりはありません。

日本一になったチームのホームランによる得点割合
日本一になったチームのホームランによる得点割合

しかしそのような考えが、現在の「投高打低」を招いたのではないでしょうか?ホームランの価値を追求するメジャーと、ホームランの価値に気づいていない、もしくは否定する日本野球の差が表れているのだと思っています。