さらに、食べることを想像するだけで量を抑えられる

先ほどご飯を食べたのに、甘いにおいをかぐと急にお腹が空いてしまう……。脳と体の反応が一致しないことは珍しくありません。

私たちはお腹が空いていないときでも食事を摂ったり(お菓子を食べるなどもそうです)、逆にお腹が空いているのにダイエットのために食事を抜いたりします。

においや音、広告など、私たちの環境に潜んでいる食物の誘発物質が、過食の主な原因の1つであるとも言われているほどです。

食欲と上手につき合えるかどうかは、現代人にとって欠かすことのできないセルフコントール術でしょう。

カーネギーメロン大学のモアウェッジらのチームは、「想像するだけである程度食欲を抑えることができる」という研究を公表しています。この実験では、51人の被験者を以下の3つのグループに分けました。

①「チョコレート(m&m’s)を3個食べる」&「コインランドリーの洗濯機にコインを30枚挿入する」場面を想像するグループ
②「チョコレートを30個食べる」&「コインランドリーの洗濯機にコイン3枚を挿入する」場面を想像するグループ
③(食べる想像はなしで)「コインランドリーの洗濯機にコインを33枚挿入する」場面を想像するグループ

その後、被験者全員にチョコレートが入ったお皿を配り、好きなだけ食べていいと指示をしました。

写真/Shutterstock
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すると、チョコレートを30個食べるシーンを想像した②のグループの被験者は、チョコレートを3個食べる想像をした①のグループや、まったく食べる想像をしなかった③のグループの被験者に比べ、実際にチョコレートを食べる量が少ない結果になったといいます。

つまり、自分が何かを食べている姿を脳内で再生する「脳内食事」をすることで、食べる量を抑えられることが示唆されたのです。体重を気にしているなら、仕事やプライベートの会食前に、自分が食べる姿と、食べたことによって自分がどんな姿になっているかを想像するといいでしょう。

文/堀田秀吾

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堀田秀吾
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1,760円(税込)
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