花火大会後の「ごみ」が今年も問題に?

隅田川花火大会は、江戸時代の1733年(享保18年)に始まった「両国川開き花火」にルーツを持つ、日本最古の花火大会。都会のビル群と夜空をバックに約2万発の花火が打ちあがる様子が幻想的で、毎年多くの見物客を魅了してきた。

特に浅草や蔵前、南千住など会場周辺は、最寄りの駅から徒歩圏にあり、立ち見でも十分な迫力が楽しめる。そのアクセスのよさから、2023年には過去最多の約103万5000人(主催者発表)が来場。昨年も91万人が訪れ、今年もそれに迫る人出が予想されている。

しかし、このイベントの影で毎年繰り返されているのが、「ごみ」の問題だ。大会終了後の夜、あるいは翌朝に、SNS上には「ペットボトルや弁当ガラが散乱」「ブルーシートがそのまま放置されている」などの報告が多数投稿される。

現地を取材してみると、区が主導して仮設ごみ箱を設置している会場周辺では比較的整備されていて、付近の住民に聞いてみても、それほどごみには困っていないという声が聞こえた。だが一方で、少し路地に入ると、マンションの管理人から切実な話も。

「毎年、花火大会の翌朝に出勤するのが憂鬱ですよ。マンションの植え込みにペットボトルや空き缶が投げ捨てられていますからね。これを掃除するところから一日が始まるという感じで……」(会場周辺のマンション管理人)

近年、人気の“穴場スポット”として注目を集めているのが、会場から少し離れた南千住の都立汐入公園だ。混雑を避けながらも花火がよく見えると評判だが、その分、ごみの放置やマナー違反が急増している。

放置されたブルーシート(画像提供、宮本しゅんま氏)
放置されたブルーシート(画像提供、宮本しゅんま氏)

この地域で住民とともに清掃活動をしているのが、前荒川区議会議員の宮本しゅんま氏。昨年の大会後には、自身のXにて、会場周辺にある汐入公園にごみが散乱する様子を「楽しむだけ楽しんでごみは放置というのもモラルとしてどうなのでしょうか?」と呼びかけながら投稿した。