「撮影の直前だけ無理に頑張ってもたかが知れる」
──前作のデジタル写真集『151センチ、48キロ』は、売り上げも評判も好調でしたね。
アンゴラ村長(以下同) ありがとうございます。芸人として活動する私が写真集を出すのに、アイドルの方たちと同じノリでやったらとんでもないことになるのはわかっていたので、それとは違うコンセプトにしたことが、多くの人に受け入れられたんだと思います。
──あくまで「標準体型」のままを写す、という。
はい。アイドルの方たちは、普段から美しくいることを心がけて、そのための努力をたくさんしていますよね。そのうえで、写真集を出すとなったら、さらに体型を絞ったり、美容に気を遣ったり。でも私は夜な夜な飲み歩いて、肉ばっかり食べているような生活をしているので、そんな人間が撮影の直前だけ無理に頑張ってもたかが知れるというか。だったら、ありのままで撮ってもらったほうがいいかなと。
──そして、新たに出版される紙の写真集『標準体型』でも、前作のコンセプトを引き継いでいます。
新しい写真集では、下着の上にお肉がのっている写真とかも普通にあるんですけど、でもそれが本来の姿なんですよね。誰だって横になったらお腹が重力で垂れ下がる。
前作で、せっかく「ありのままの自然体がいい」と言ってくださる方が多かったので、そこは嘘をついたらいけないなと思って、今回はよりリアルな姿を撮影してもらいました。
──写真集のモデルになるのは、芸人の活動とはだいぶ違うお仕事ですよね。
さすがにライブでも下着姿にはならないですからね(笑)。でも、それで私が恥ずかしがってモジモジしていたら、現場のスタッフさんにもご迷惑をかけてしまうので、やると決めたからには覚悟を決めて。
そもそもスタッフさんたちは、グラビア写真集の現場を日常的に経験している方たちなので、恥ずかしがる必要もないですし。なので、いっそ「私はグラビアアイドルなんだ」というマインドでのぞみました。
──撮影の現場はどういう雰囲気でしたか。
めっちゃ褒めてもらいました。しかも、前作に続いて撮影していただいたカメラマンの東京祐さんは、わかりやすくテンションを上げる感じではなく、小さい声でしみじみ「うん、かわいい……」って、つぶやきながら撮ってくださるんですよ。それが沁みましたね。
あまりの気持ちよさに、撮影の直後はグラビアアイドル気取りで過ごしましたけど、ライブでいつものステージに立った途端、無理やり現実に戻されました(笑)。