公式がまさかの声明「ゆっくり座って観覧できる場所はありません」
このごみ問題について、宮本氏は次のように話す。
「汐入公園が“穴場”として知られるようになるにつれ、地域住民から『ブルーシートが放置されている』『ごみが捨てられている』といった声が私のもとに寄せられるようになりました。
荒川区議会でも取り上げてきたのですが、ごみ箱の増設やごみの管理はあくまでも大会運営委員会が担っており、荒川区としては大会翌日の朝に行う通常の清掃業務しか対応が難しいという状態が続いています」(宮本氏、以下同)
南千住の汐入地域では宮本氏も立ち上げから関わっている「プロギング」という地域の清掃活動が継続しており、住民の環境美化に対する意識が高いからこそ、花火大会に伴うごみの問題は深刻な課題となっているという。
「観覧者の多くは区外から来た人たち。モラルの問題が続けば、オーバーツーリズムと同じく、いずれ区として対応を取らざるを得なくなるかもしれません」
今年も宮本氏は、花火大会後に現地で様子を見て、清掃活動を行なう予定だという。
こうした事態を受けて、今年は異例の動きも起きている。汐入公園の公式Xアカウントが、7月18日に以下のような投稿を行なった。
「汐入公園は決して穴場ではありません! 今年は昨年以上の人出が予想されます。お出かけの方は無理のない計画をお立てください」
そして隅田川花火大会の公式サイトもまた、7月10日の時点で日本語・英語・中国語など多言語で注意喚起を発信している。
「隅田川花火大会は市街地で開催されるため、基本的に歩きながら観覧いただきます。ゆっくり座って観覧できる場所はありません」
「当日は大変な暑さに加え、浴衣や飲酒によって体調を崩す方も多く発生します。熱中症対策を万全にしてお越しください」
一見するとネガティブな印象も持ちかねないこの注意喚起に、SNS上では「公式がこれ言っちゃうの凄いな」「座って観れない花火大会って地獄ですね。人の波に押されて屋台もトイレも混雑してるんでしょ」といった反応も寄せられている。