脳を元気にするために食べるべき食べ物とは? 

では、腸内環境を整えるには、どのような食事を意識するべきなのでしょうか。

その例のひとつが、「善玉菌を含む食品」と「善玉菌の餌となる食品」を積極的に摂取することです。

善玉菌が含まれる食品には、ヨーグルト、納豆、漬け物、みそ、チーズなどの発酵食品があります。これらには乳酸菌やビフィズス菌などが豊富に含まれており、腸内の善玉菌を増やす効果があります。

写真/Shutterstock
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また、善玉菌の餌となる食品としては、食物繊維とオリゴ糖を含む食品が挙げられます。食物繊維を多く含む食品には、ごぼう、にんじん、ブロッコリー、ほうれん草などの野菜類や、いも類、きのこ類、海藻類、豆類があります。オリゴ糖が多く含まれる食品としては、玉ねぎ、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなども望ましいです。

また、メンタルの調子が良くないと感じる時には、温かい食べ物や飲み物を摂ることも効果的。研究によると、身体が温かさを感じると、心も温かく感じやすくなり、他者への思いやりや優しさが増すことがわかっています。温かい食事をすることで心身ともにリラックスし、脳の認知力も高まる可能性があります。

ぜひ、腸の健康を意識し、バランスの良い食生活を心掛けてみてくださいね。

文/茂木健一郎

『60歳からの脳の使い方』扶桑社新書
茂木 健一郎
『60歳からの脳の使い方』扶桑社新書
2025年6月29日
1100円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4594100520
脳科学の最新研究でわかった、脳はいくつになっても成長します! ・「もう年だから」をやめると脳は元気になる ・シニアこそAIで脳を若返らせよう! ・「生きがい」を持てば、迷いはなくなる 脳科学者・茂木健一郎氏が教える、今日から豊かなセカンドライフを実現する秘訣満載! 人生100年時代といわれるいま、60歳=「還暦」は人生の折り返し地点という意味合いが強まっています。 これまでずっと会社で働いてきた人が定年を迎え、「さあやっと自由だ」と言わんばかりにセカンドライフとしてあたらしいことに挑戦する元気な人がいる一方で、「ずっと家にいる」「急に元気がなくなった」「突然運動できなくなった」……という人も増えています。その違いはどこにあるのでしょうか。 それは、脳に新しい刺激を与える「生きがい」を持っているかどうかだ、と語るのは脳科学者として人気の茂木健一郎氏です。「生きがい」は難しいものではなく、生活のあらゆるところに見つけることができる、と説きます。 そしてそんな「生きがい」があれば、「もう年だからできない」といった、わたしたちが無意識に持っている「エイジズム(年齢に基づく固定観念)」から脱却し、日々をポジティヴに生きることができるようになります。 そこで、脳科学者・茂木健一郎氏が、最新の脳科学の観点から、何歳になってもボケない・若返る脳の使い方を詳しく解説。「いつまでも元気なあの人」はなにが違うのか、著名人の例を挙げわかりやすく説明します。また現代の日本社会を覆う「老害」問題にも茂木氏ならではの視点から斬り込みます。「老い」をポジティヴにとらえなおすための一冊です。
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