意外なつながり、肩こりと「アゴの痛みや口の開けにくさ」
一般的には、まだあまり注目されていないかもしれませんが、整形外科医療に携わる人の間で、さまざまな不調や病気と関係しているのではないかと懸念されているのが「アゴ・歯の問題」です。
なかでも患者さんは自覚していない「ブラキシズム」が心身に影響しているのではないかと考えられることは増えていて、私が「肩の問題」で患者さんを診察するときにも、「ブラキシズム」の悪影響を考える場面は増えています。
ブラキシズムとは耳慣れない言葉かもしれませんが、上下の歯を嚙みしめている「食いしばり」と、下顎の運動を伴う「歯ぎしり」のことです。
本来なら、上下の歯は食事や会話など必要なとき以外、接触していないもの。しかし脳の興奮やストレスなど、多くの原因の影響でアゴの筋肉(咀嚼筋)がほぼ無意識に動き、「食いしばり」「歯ぎしり」をしている人が増えているのです。
ここで言う「食いしばり」は奥歯をぐっと嚙み締めているとは限らず、上下の歯が弱い力で接触しているような場合も含みます。