鶴保庸介参院議員の失言でさらなるピンチに…
いっぽう、物議をかもした「パンダ発言」についてはどのように受け止めているのかというと、「パンダを呼び戻す政策については、やはり県民の多くが『もう一度パンダを呼びたい』と思っていますので、有権者からは非常に好評です。
いるのが当たり前になっていましたが、やはりいなくなるとその大きな影響力を身に沁みて感じます。グッズやお菓子にもイラストを使っていましたしね」と当然ながらではあるが、好意的だ。
ただ、望月氏とのデッドヒートが報じられる情勢について質問が及ぶと、とたんに表情を曇らせた。
そして、8日に開かれた地元集会で、二階ファミリーにとって身内ともいえる鶴保庸介参院議員が能登半島地震について「運のいいことに能登で地震があった」と漏らした失言に対して、憤りの色を露わにした。
「あの発言は“最悪”です。震災被害者の方への配慮が全く足りていないと思いますし、実際に県議の間でも『とんでもないことをしてくれた』と話題になりましたよ」
鶴保氏はこの失言について釈明した際の態度についても批判を受け、14日には、参院予算委員長を辞任に追い込まれている。
鶴保氏は、二階氏が小沢一郎氏とともに立ち上げた自由党から政界入りし、その後、保守党を経て自民に復党した二階氏に付き従った「側近中の側近」。本来、伸康氏の助けになるべき立場にある鶴保氏に足を引っ張られた格好になったからだ。
「俊博さんの右腕のような存在だった鶴保議員ですが、その後の会見で笑みを浮かべながら『現状は辞任など考えていません』などと発言されたことで、有権者の方からもそうですし、全国にいる知り合いから私のもとへ連絡があって、お叱りや、『もう他の人へ自民を薦められない』『鶴保をやめさせろ』との声、そもそもの自民支援をやめてしまう方まで出てきています。
記者会見に参加された記者からは『神妙さや反省している態度に欠けていた』と報告を受けまして、実際の映像を見て『これはどうなんだ』と思いましたよ」
県議は、「ただでさえ石破さんの人気があまり高くない上でこのような発言が飛び出したので、相当な向かい風になってしまった」と肩を落とす。
二階氏にとっては、自身が築いた「王国」を息子に禅譲できるかどうかの瀬戸際でもある。強くなるいっぽうの「向かい風」を跳ね返すことができるのか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班