「窃盗大型化時代の巻」(ジャンプ・コミックス第23巻収録)

今回は、大型窃盗団によって派出所がまるまる盗まれてしまう(?)お話をお届けする。

本作が描かれたのは1980年だが……。

昨今は、自宅敷地内や駐車場から自動車が次々と盗まれて海外に大型貨物船で運び出されたり、銅線がトン単位で切断・持ち去られてインフラに深刻な影響が出たり、工事現場から重機が姿を消したり……と、窃盗に関する話題が何かと多い。

また、建物内に侵入されなくとも、エアコンの室外機や給湯器を取り外して持って行かれたなんていう事件もよくきかれるようになった。

サイバー犯罪や特殊詐欺の件数が増加しているのに比べ、窃盗の件数は減少の傾向にあるという。しかしその損害規模は大きくなっているようで、実は現代は「窃盗大型化時代」なのかもしれない。

本作のように「建物を持っていかれる」事件も、漫画の中のできごとだけではすまなくなる時代が訪れるのかも!?

ちなみに本作に先立ち、亀有交番前派出所は、連載開始の翌年、1977年に描かれた「執念の追跡の巻」(ジャンプ・コミックス第7巻収録)で早くも盗まれている。

このときは、両さんと中川がさぼって遊んでいる間に備品や警察手帳などを盗まれ、事件隠蔽のために駆け回る、ドタバタにつぐドタバタの展開が繰り広げられた。そしてオチでは、派出所そのものが盗まれてしまう……。こちらも機会があれば、ぜひ読んでみてほしい。

「執念の追跡の巻」より。窃盗犯の足取りを追う……のはいいが、なぜ一般市民の家の中を通る必要が?
「執念の追跡の巻」より。窃盗犯の足取りを追う……のはいいが、なぜ一般市民の家の中を通る必要が?

それでは次のページから、派出所窃盗事件の顛末をお楽しみください!!