20代の“本命”からは騙し取ってないと思います

――複数の女性からひとり数百万円、多いと1億円ものお金を詐取していますが、武田さんはその度に江尻被告からお金をいくら受け取っていたのですか。

それは5万円や10万円などさまざまです。でも一番多かったのは親族の遺産1億円を江尻被告に貸した被害女性の時で、150万円もらいました。でも、ブランド品などを買ってしまいお金はほとんど残ってません。

武田被告(写真/知人提供)
武田被告(写真/知人提供)

――江尻被告は、どういうつもりで複数の女性らからお金を騙し取っていたのでしょうか。

江尻被告自らが作った「ミッションノート」にも書いていましたが、女性に恋心を抱かせたり結婚を仄めかしたりしてお金を根こそぎ騙し取ることを仕事だと思っていたし、「俺には運がある」「絶対に大丈夫、捕まることなどはない」と言っていました。

――江尻被告は、女性から詐取した金を何に使っていたのでしょうか。

江尻被告には本命の20代の彼女がいました。その方と同棲し、衣食住の面倒を見ていたし、旅行にもよく行っていました。(名古屋市の)錦のお気に入りのキャバクラもあったので、そこにも相当お金を使っていたと思います。あとはあまりにしつこく何度も「お金を返せ返せ」言う女性には借りた金を返すなどしてその場をやり過ごしていました。

――本命の彼女からはお金は騙し取ってないのでしょうか?

本命ですからね(笑)。騙し取ってないと思います。

――江尻被告は「捕まらない」と思っていたようですが、その当時、あなたは自分がやっている“仕事”についてどう思ってたんですか。

こんなことをいつまで続けるんだろうか、と漠然と思っていました。江尻被告は女性に対し悪気はなかったと思うけど、僕はやっぱり申し訳ないと思いながらやっていた面もあります。

江尻被告(写真/知人提供)
江尻被告(写真/知人提供)