きついコメントにも「感謝できるかな」
――本田さんはまだ20歳。その強さはどうやって身に付いたんですか?
それは、小さい頃からこの世界にいさせてもらってるからというか。
大人になってからデビューされる方だと、多分、タレントとしての自分と素の自分という“2人の自分”がいるみたいな状況になって苦労するんじゃないかと思うんです。
でも、私は今の状況しか知らない。それは小さい時にデビューさせてくれた事務所や両親に感謝だなって思います。
――その強さは、今回演じた明日香に通じるものがありますね。
特に続編では、明日香に共感するところが多くあったんです。それは多分、監督が実際に前作の時に私に会って、「本田望結が演技するから」といろいろ考えていただいたんだと思います。
――映画のなかでは、噂だけで判断した世間の人々が、明日香に対して厳しい視線を送ります。
そうですね。こんなにも“いい子”の明日香に対してSNSでいろんなコメントがつき、叩かれてしまいます。
でも、それを「どうしようもない」では片付けたくないですよね。だからこそ、この作品ではネット社会に対して意見というか、ある意味ホラーだけじゃない部分も描かれてる。
この映画を通して、ネットに対する感覚が少しでも変わるきっかけになったらいいなって思います。
悪気がなく言っちゃうことも絶対ある。私だって気を付けないといけない。相手のことを思ったとしても、裏目に出ちゃうこともあるので。いろんなことを想像する努力、そして知識は常にストックしなくちゃいけないなって思います。
――なにかネット上でつらい経験をした場合には、どのように乗り越えたらいいと思いますか?
アドバイス的なことを言える立場ではないので。
ただ、これは私の中での基準でもあるんですけど、何か言われたことに対して、反論できるぐらいの意見があれば、あなたは間違っていない思うし、逆にグサッて刺さっちゃうようだったら、改善すべきところなのかもしれませんよね。
言い返すことがない時は、私も「これは自分が悪い」「自分が間違っていた」と反省すべきポイントなんだと思って、その声に感謝できるかなと思います。
後編では、俳優業とフィギュアスケーターという2軸で活動する、そのモチベーションについて話を聞いていく。
取材・文/羽田健治 撮影/廣瀬靖士