斎藤知事は「コメントできない」

立花氏は奥谷氏の告訴の後、県警から2回任意の事情聴取を受けている。書類送検を受けた後、6月4日午後にはXに「★予定通りです! 無罪を確信していますので、ご安心下さい」とポスト。

YouTubeでも「名誉棄損(容疑)については真実、あるいは真実相当性があるということで無罪。脅迫や業務妨害についても、選挙中に奥谷君の事務所の前に行ったらたまたま自宅だったと。45分間というそんなに長い時間でもないですし、通常の人が恐怖を感じるような演説内容ではなかったと思います。これは当然無罪を主張する」と話した。

立花氏のⅩより
立花氏のⅩより

その奥谷県議は書類送検を受け「引き続き推移を見守りたい」と地元メディアにコメントした。

立花氏は知事選後、問題視された言動を繰り返した選挙運動を「俺が(発信を)出すことで斎藤さんが勝った」「俺が言ってへんかったらさすがにこうはならんやろ」と振り返り、自分の応援があったから斎藤知事が当選したとアピールしている。

その応援を受けた斎藤知事は、書類送検が報じられて約3時間が経過した4日午後、定例の記者会見で受け止めを聞かれると「状況を承知していない。コメントできない」とだけ答えた。

知事選における立花氏の言動に絡む動きはこれだけではない。5日には街頭演説で槍玉にあげられた一人、丸尾牧県議が、立花氏の街頭演説で名誉を棄損されたとして1100万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁尼崎支部に起こした。

昨年12月22日、事情聴取を受けた兵庫県警本部前で話す立花孝志NHK党党首(撮影/集英社オンライン)
昨年12月22日、事情聴取を受けた兵庫県警本部前で話す立花孝志NHK党党首(撮影/集英社オンライン)

訴状によれば立花氏は、選挙中の昨年11月2日、西宮市内での演説で「実は丸尾とかが書いたんですって、あのウソを。あの告発文書を書いたのは竹内(元県議)だけじゃなくてこの丸尾牧も書いとるんです」「こいつらが原案作って、それを噂話でばーって庁内に広めてね。こいつですよ」などと発言した。

ここでいう「告発文書」はAさんが昨年3月に匿名でメディアや県警に送った斎藤知事の疑惑を告発する文書とみられる。立花氏は、その文書は実は丸尾県議と竹内元県議が作成し、2人が斎藤知事のパワハラの噂話を兵庫県庁内で流布させた、と街頭演説で主張したというのだ。